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みつぐ の投稿された作品が26件見つかりました。
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明日雨でも
それは明らかに今オレが、何者かに唇を奪われている証だった。―…ッドン!グゥゥッー!!押しても叩いてもびくともしない。それどころか相手は自分の服が濡れる事もお構いなしに、更に体を密着させ唇を合わせてる。「…うぅッ!!」激しい攻防の間に体はどんどん熱を発してくる。もう…何がなんだか解らない内に相手の激しい動きに段々と抵抗する気力すら奪われそうになってきた…その時ー…「はっ…!ッ!!?あれ?小宮?
みつぐ [7,257] -
明日雨でも…
降水確率50パーセント。南西の風やや強く、夕方からは突然の雷雨に………そういえば、今朝ラジオでそんな事いってたな…頭の片隅で、ぼぅっと思う。いつものあてにならない天気予報をBGMに飛び出した今朝。そんな時に限って…と、いい加減うんざり思いながら、オレの顔面目掛けて叩き付けてくる夕立の中、ようやく見つけた屋根つきのバス停目指して駆け抜ける。学校ではもう少しで衣更えというこの時期。猛暑が続いた今年は
みつぐ [6,852] -
少年群像
さっきまで喧しくゴムまりの様に跳ねていた心臓が一瞬柚木の声にビクリ、と震える。そして、ふらりと進み出た柚木の手が織部の腕に触れると今度は高熱を発しているような幻覚に襲われた。「俺だって噂のスプリンターの走り、見てみたいし…」すらりとした長身と柚木を力強く抱いた引き締まった筋肉。それだけでも彼の、織部の美しい走りを連想させるに充分すぎる要素だった。「柚木さん…」そこにはさっきまではかなげに佇んで
みつぐ [5,564] -
少年群像
「…―柚木さんは、どうして陸部に行かないんですか?」 …………。「トレーニング、まだしてるんですよね?」すると、柚木は軽く首を振って吐き捨てるように言い放った。「まさか…何で俺が…」「わかりますよ…。柚木さんの体、筋肉…。スポーツやめた人の体じゃないし…」熱い肌。その下に感じられた若い筋肉は無駄のない見事な張りを持ち、細身ながらよく鍛えられた、織部のそれに負けない程の輝くような少年の肉体であった
みつぐ [4,318] -
少年群像
柚木はそんな織部を相変わらず冷めた表情で見つめている。しかし、まだ体は回復していないのか、腰を庇うようにして校門の外壁に体を寄り掛からせていた。そんな些細な仕草さえ男を惑わす媚態に見えて、織部は慌てて頭を振るう。「すみません!俺、今日どうかしてて、自分でも何でこんな……酷い事したって思ってます。だから、せめて、家まで送らせてください!」「…」じわりと背中に汗が滲む。そんな織部の必死な様子を柚木は
みつぐ [4,347] -
少年群像
汗で汚れたジャージを入れたスポーツバックを肩に下げ、目の前の黒く延びた影を追う。疲れた足取りで部室に向かい、こちらに歩いてくる同じ陸部の仲間を追い抜き、たった今校門を曲がったその影に声をかけた。「柚木さん!」ピクリッ、と一瞬止まる。「…」向けられた視線にどきりとし、耳が熱くなる。「…あの、…体、大丈夫ですか?」「…」我ながら間の抜けた台詞だと思う。保健室を追い出され、授業中は勿論部活の間さえも
みつぐ [4,140] -
少年群像
「不相応な物に手を出すと、また後で後悔する事になるぞ。」「…」何処でせっかちな蝉が鳴いている。頭の奥の一点が氷の様に冷たかった。「…、さて」短い溜息をついた後、「俺はもう行くがお前はもう少し休んでから帰れ。鍵は…必要ないな。ったくどうすんだよコレ、」何故か鍵が壊れたドアの前で愚痴を言っている。「…優しいんですね」「愛してるからな」お前の体を、と悪戯っぽく付け加えていうとそのまま橋田はスタスタと出
みつぐ [4,246] -
少年群像
「危ないな…、思わず抱いてしまうとこだった…」「…どうして?」急に絡まっていた舌と指を離され、不思議そうに見つめ返す。「これ以上無理させて欠席されちゃ困るしな。」「昨日はしたくせに…」拗ねたように言い返す柚木に苦笑し、半分困ったような顔で橋田が応える。「お前に誘われて逆らえるはずないだろ?これでも我慢してんだよ。」そういうと、ポンッと柚木の肩を軽く叩いてベッドから離れる。「そういえば…アイツ…、
みつぐ [4,045] -
少年群像
……うっすらと白い景色が視界に入ってくる。頭はまだ芯がぼんやりとしてはっきりしない。…―ここは…?「起きたか。」少しハスキーで落ち着いた大人の男の声。「………先生…。」少し離れた壁際の机から立ち上がり橋田が近寄って来る。柚木が目覚めた時には陽は傾き、既に放課後になっていった。気怠い上体を起こそうとする柚木の胸元をスッ…と手が掠める。「ふぅん…」「!」口元を歪ませてニヒルな笑みを浮かべる。「それは
みつぐ [4,071] -
少年群像
自分はどうかしている…今日初めて会った年上の、しかも男に惹かれてる頭よりも先に身体が動き、理性よりも本能が反応してしまう。柚木の事を忘れられず再び部室を訪れ、死んだかの様にぐったりと動かない柚木を見つけた時、織部は今朝初めて彼に会ったという事も忘れ、傍に駆け寄らずにはいられなかった。そして未だ整理のつかない柚木への感情を引きずったまま、体はどうしようもなく彼を求め、遂には貪るように彼を犯してしま
みつぐ [4,020]