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サーター の投稿された作品が45件見つかりました。
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あの朝に…15
15 すごい…あんな会社に勤め位置付けはわからないが役職までついている。そんなことを思いながら自己紹介し終わると食堂に着いた。 店に入ると「いらっしゃい!誠ちゃんが朝にくるなんて珍しいわね、若い子連れてどうしたの?」店の女の人が話しかける、二人は親しい間柄だとわかる口調で「今日から俺の家事手伝いをしてくれることになった早紀ちゃん…でこっちが幼なじみの彩香」紹介され、ぺこっと頭を下げ挨拶をする。彩
サーター [7,415] -
あの朝に…14
14 戸惑いを隠せずにいると「一人暮らしだから、家事を手伝ってもらえたらなと思って」と付け足した。 悪い人じゃなさそう、外見も生活に困っているようには見えない、他に頼る人もいないし…『よろしくお願いします』私は覚悟を決めた。 「こちらこそ!えっと…君の名前は?まだ聞いてなかったね」彼は自己紹介し名刺を渡してくれた。こんなに落ち着いているのにまだ32才だという、よく見ると眼鏡越しの目は可愛く少し童
サーター [6,686] -
あの朝に…13
13『あ、あの…』グッギュル〜助けを求めようと話し始めると同時にお腹がなる。彼は小さく笑って「お腹空いたの?何か食べに行こうか」と誘ってくれた。私は首を縦に振る。何が食べたいか聞かれたので『食べられれば何でも…』と呟くと彼はまた小さく笑う。知り合いの食堂が近くにあるということで、そこへ行くことになった。道中昨夜のことを話し、生活していくため住み込みで働かせてもらえる所を探したいと伝えた。すると思
サーター [6,751] -
あの朝に…12
12 不安を押し殺しながら行くあてもなく歩いていると公園があった。公園の時計を見るとまだ8時…はぁ、お腹減ったな〜。歩くことにも疲れブランコに座る。ブランコなんて何年ぶりだろう、小さい頃よく遊びに連れて行ってもらったな…そんな両親が…また涙が溢れてきた。 にじんだ世界は通勤・通学の人々で活気に充ちあふれ足早に過ぎていく、私だけ取り残されていくようで声を上げて泣いてしまう。「大丈夫?」優しく低い声
サーター [6,822] -
あの朝に…11
11 単調な毎日を過ごしてきた私にはヘビーすぎる…人生のイベント全てが終わったのではないかと思った。少し休むつもりで腰をおろした人気のない路地で私は眠ってしまったのだった。 知らない町を歩きながら、そんなふうに昨日の出来事を頭の中で処理していた。 ぐ〜ぅ…お腹がなった。そう、昨日の昼食を最後に今朝まで何も食べていない。これからどうしよう、お金もない…携帯も居場所がわかるかも知れないのでサー
サーター [7,233] -
あの朝に…10
10『ごめんなさい車どこかわからなくて迷ってたの』見苦しい嘘をつき恐る恐る顔を上げると…そこにはポカンとした表情で、おじさんが立っていた。ホッとして匿ってもらえるよう頼みこんだ。おじさんは私が隠れていたトラックのドライバーで、私と同じくらいの娘さんがいるらしく家に帰るよう説得されたが、頑なに拒否し荷物の届け先まで連れて行ってもらえることになった。何時間か経ち…その町に着き私は頭をさげ感謝の気持ち
サーター [8,575] -
あの朝に…9
9 手を近づけた瞬間『ゲッうぇ〜、吐きそう。私車弱いの…トイレ行ってきて良い?』 男は冷めたらしく掴んでいた手を放し「早く行ってこい」と怒り気味に私から離れた。 車からおりトイレに行くふりをして、とまっていたトラックの影に身を潜めた。 初体験を知り合ったばかりの男に奪われるのは嫌だ。我ながら迫真の演技だったと思わず笑ってしまう。 と、その時後ろから足音が…ビクッと体が震え動くことができない。「何
サーター [8,031] -
あの朝に…8
8『えっ?…』何が起こったのかわからなかった。「一回ここでやらせて、ちゃんと泊めてあげるから!」そう言いながら男の手は私の濡れたTシャツをめくりあげる、抵抗しようとした両手は男の左手にガッチリと掴まれてしまった。華奢なのに案外力があり逃げようにも勝ち目がない…「気持ち良くしてあげるよ」耳元で囁かれ首筋をペロ〜と舐められる。『嫌っ、やめて!』ジタバタしているとブラジャーをはずされ胸があらわになった
サーター [7,969] -
あの朝に…7
7すぐ相手は見つかった。25才の男で毎日県外から仕事で私の町へ来てるらしい… 20分ほど待つと特徴を教えられたとおりの車がロータリーへ到着した。 近づいていくと窓を開け優しく微笑んで「初めまして、助手席へ乗って」と、びしょ濡れの私に驚きつつもタオルをくれた、軽く挨拶を交わし車へ乗り込む、ぎこちなく会話をしながら今日泊めてほしい理由などを話した。 高速にのるとしばらくして「ちょっとトイレ」と言って
サーター [7,709] -
あの朝に…6
6花びらが舞い散る、私は家を飛び出した雨の中傘も持たず、ひたすら走った。駅に着いたが、鞄は家で何も持っていない…ただポケットの携帯だけがブーブーブーっと何度も震える、着信は全て家からだ。ベンチに座ると涙が溢れてきた。雨とも涙ともわからないそれを拭おうとしたら掌に数箇所血がにじんでいた。さっきバラを握り締めたとき刺さったのだろう。その傷を見て、あの母の顔を思いだしボロボロ涙がこぼれた。自暴自棄にな
サーター [7,987]