官能小説!(PC版)

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小椋都 の投稿された作品が29件見つかりました。

 
  • 星に願いを NO.19

    時間は残酷にも過ぎていき、いよいよ秀太郎が一週間後に出ていってしまう頃、母から葉書が届いた。『一度顔を見せに来て下さい。』その一言だけだった。私はまだ母が許せず、その葉書を箱の奥にしまった。私は毎日星を眺めては、時間が止まってくれるように祈った。だが、この日は星よりも大きな花火を眺めていた。「秀太郎…。」そう呟いた時、玄関が開いた。秀太郎だった。少し疲れた顔をしていた。「お帰り。」「うん。ただい
    小椋都  [8,349]
  • 星に願いを NO.18

    「秀太郎、がんばってね。」私は秀太郎に笑顔を見せた。「ありがとう。」秀太郎も笑った。でも目の奥は少しだけ色がくすんでいた。秀太郎がいなくなるなんて考えた事が無かった。ずっと一緒にいられると思っていた。誰より大切な人。私の大好きな秀太郎。その夜、私は一人で泣いた。秀太郎には絶対に気づかれないように。夏休みに入り、秀太郎は学校の手続きやカメラの仕事が忙しいらしく、あまり帰って来なかった。一人で眠る私
    小椋都  [8,698]
  • 星に願いを NO.17

    その日は日曜日。もうすぐ夏休みを迎えようとしていた日だった。「季吹。ちょっといい?」「うん…?」秀太郎は私を座らせた。とても真面目な顔をしていた。「あのさ、あとどれくらいで資金できそう?」秀太郎は少し申し訳なさそうに私を見た。「あ…再来月にはたぶん…。」秀太郎慌てながら言った。「違うんだ。出て行って欲しいとかじゃないんだ。」いつもと違う秀太郎。迷惑だったのかと私は思った。「うん…。ごめんね。考え
    小椋都  [7,568]
  • 星に願いを NO.16

    「ねぇ。時々バイト休んでどこ行ってるの?」私は秀太郎の横顔を見ながら尋ねた。整った鼻と長い睫毛が月に照らされて影になっている。「あ… うん…。」秀太郎は少し戸惑うようにタバコの火をつける。「言いたくなかったら…。」私が言い終わる前に秀太郎が口を開いた。「カメラマンのアシスタントしてるんだ。」私は驚いた。「えっ…!?秀太郎が!?」「うん。高校生からずっと。」私の知らない秀太郎の世界がある。写真とい
    小椋都  [7,160]
  • 星に願いを NO.15

    翌朝、秀太郎が帰って来た。私は秀太郎の目を見ることができなかった。昨晩の自分の行為。いやらしく、汚い母を思い出し、気分が悪くなった。「どうした?具合悪い?」秀太郎は心配そうに私の顔を覗いた。「何でもない…。」「顔赤くないか?」「大丈夫!」私は秀太郎を振りきり、学校へ行った。授業中、ずっと秀太郎の事を考えていた。バイト中も気がつけば秀太郎を目で追う私がいた。翌日、秀太郎はバイトを休んでどこかへ出か
    小椋都  [8,654]
  • 星に願いを NO.14

    その日、秀太郎の帰りは遅かった。帰って来ないのだろうと思った。一人で眠るベッドは少し広く感じた。いつも秀太郎が使っている枕に顔を埋めると、秀太郎の髪の匂いがした。ドキドキしてカラダが熱くなる。今までに無かった感覚。私の右手が私の左の胸に伸びて行った。大きくはない胸をそっと包み、揉んでみた。この手がもし秀太郎の手だったら…と思うと止められなくなった。胸の先端をキュッと摘んだり、指でぐりぐりと押した
    小椋都  [9,122]
  • 星に願いを NO.13

    私と秀太郎が一緒に住んでいる事はバイト先でも話題になった。今まで私を遠巻きに見ていた人たちと少しずつ会話ができるようになった。“高橋さん”から“季吹ちゃん”と呼ばれるようになった頃、女の子たちから尋ねられた。「伊吹くんとどうやって付き合う事になったの?」私はしばらく考えた。私たちは恋人ではなく、友だちである。「付き合ってないよ。ただの友だちだよ。」私の言葉に皆が驚く。それはそうだろう。男と女が一
    小椋都  [7,736]
  • 星に願いを NO.12

    私は秀太郎と一緒に住む事になった。母から連絡など一切なかった。むしろ、男を連れ込むには都合がいいだろう。夏休み明けには自立できるだけの資金も貯まる。それまで秀太郎に甘えることした。私は毎朝起きて、朝食を作り、学校へ行き、バイトへ行って、夕食を作る。休みの日には洗濯と掃除をする。その繰り返しだった。一方、秀太郎は私が作ったものを食べ、学校へ行き、バイトへ行く。だが時折、バイトを休み、長くて2日帰ら
    小椋都  [7,800]
  • 星に願いを NO.11

    秀太郎は私に駆け寄った。涙で顔ははっきりと見えないけれど、確かに秀太郎だった。「どうした!?こんな時間に。」「あ…あの…。」私はそれ以上言えなかった。「お前…!その顔…。」秀太郎は私の頬の腫れと、ボロボロの服に気がつき、そっと頬に触れた。指は細いけど大きい掌。「あ…うん…。」誰かの前で泣くなんてあっただろうか。私の涙を見た優しい秀太郎。何も言わず、私を抱き締めてくれた。私はただ、秀太郎の胸で泣い
    小椋都  [8,807]
  • 星に願いを NO.10

    「うわっ…!」男は私から離れて目を覆い、必死に水道の蛇口を探した。私はその隙にカバンを手に取り、家を出た。とにかく走って、走って。どこへ行けばいい?私に行くところなどない。「伊吹くん…。」私は秀太郎の部屋へ走った。一駅分ある秀太郎の部屋まで止まることなく走った。秀太郎の部屋は明かりはついていなかった。「今日…バイト休んでた…。」ピンポンとチャイムを鳴らしてみた。秀太郎は出て来なかった。私は疲れを
    小椋都  [8,538]
 

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