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紫織 の投稿された作品が20件見つかりました。
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紫陽花[010]
電車の中で考えて居た。あの陽介の手を握りしめてどうしようとしていたのか。電話が鳴らなかったらあのまま…。あのまま…?ダメだよ。そんな。何を考えているの…。村上くんはちゃんと帰れたのだろう。次の日生徒は休みだったが私は出勤することにした。何かに逃げていたわけじゃなく仕事が残って居たから。…あの教員室の堅いソファーを見ると昨日のことを思い出すことがわかっていたから見ないようにして働いた。昨日…陽介
紫織 [12,049] -
紫陽花[009]
陽介の舌と唇が私の胸や乳首を這い、柔らかい痛みや苦しい甘い痛みがかけめぐる。…教員室の堅いソファーの上で倒れそうな私を陽介は支えてくれていた。「…俺の心臓…潰れそう…」…こういうこと、慣れているのかと思っていた。少し怯えてるような目の陽介の手を握ってしまった。その時、教員室の電話が鳴り響いた。…ビクっと私と陽介の動きが止まった。…私は乱れた下着や服を直して電話に出た。「はい。すみません。…もう
紫織 [12,831] -
紫陽花[008]
陽介の、私を抱きしめる腕はとても男性らしい…温かいものだった。頭が変になってくる…。シャツのボタンを3、4個開けて指で胸の辺りを陽介は優しく撫でていた。…振り払うなら今かもしれないと理性が働いた。「紫織さん…俺すごくドキドキしてる」そっと陽介を見ると、男性らしい温かさから急に少年のような陽介の目だった。ずるいよ。そんな目。今まで一度も見せたことのない目。まるですぐ壊れそうな目。そんな目で見
紫織 [14,024] -
紫陽花[007]
「村上くん…?」何が起こったか分からなかった。ただ全身に電気のようなものが通った気がした。「何を…したの…?」と聞いた途端、陽介は、今度は唇にキスをしてきた。「村上く…ん。何する…っっ」また唇に軽くキスをされた。「紫織さん、生徒とキスしちゃったね。」と陽介が私の髪をなでながら言った。…だめ、優しくしないで…。陽介の唇は私の唇に吸い付き離れなくなっていた。「ん…っ。村上くん…何する…の…」唇を振り
紫織 [14,350] -
紫陽花[006]
もう23時の時間が過ぎていた。最後、戸締まりをしていた時に陽介が声をかけてきた。「紫織さん。仕事お疲れ様。」「村上くん…まだ居たの?早く帰ろ。私が最後なんだから。」陽介はほほえんでいた。「戸締まりなんていいから、星を見ようよ。綺麗だったよ。」…星なんて仕事が忙しくて全然見て無かった…。「な、何言ってるの。帰らないとだめだよ。」無視をして教員室の窓のカーテンをしめていた。すると私の手を握る陽介が居
紫織 [12,872] -
紫陽花[005]
…困った。普通に考えても、社会人2年目だった私が考えても、ダメだ。教師と生徒が二人きりで、逢うなんて…。それに、陽介に引き込まれないように必死に行動してる意味が無い。初めて知った時から陽介の視線が苦手で…少し呼吸困難になりそうなドキドキから逃げていたのに…。ちゃんと断る。…大人なんだから。教師なんだからと、自分自身に言い聞かせていた。20歳の男の子に一喜一憂するなんて…学生の頃もっと恋愛し
紫織 [12,851] -
紫陽花[004]
「紫織さん。俺20歳になったお祝い、まだしてもらってないよ?」無邪気に笑いながら陽介が私の席の横に居た。「なんで私が村上くんにお祝いしなきゃいけないの。彼女に祝って貰いなさい。」仕事を進めながら半分流しながら答えた。「俺、紫織さんと、お酒飲みたい。今夜、紫織さんが学校の仕事終わるまで待ってるから。…だめ?」…そんな目で、見ないで。くらくらする…。少年と大人のちょうど間の、純粋さと強引さが眩しかっ
紫織 [12,733] -
紫陽花[003]
それから、なんだかよく、陽介が教員室の私の席に逢いに来ていた。生まれて初めて誰かに「先生」と呼ばれ、抵抗を感じていた私に、陽介と陽介の友人は「紫織さん」と呼び、親しみを持ってくれたことが嬉しかった。こんなことが続き、陽介が20歳になる頃には食事にも出かけていた。もちろん、複数で。教師の私と生徒である陽介と二人きりだなんて、世間体より何より、私自身が崩れそうな気がしていた。あの、少し苦しい胸の痛み
紫織 [13,336] -
紫陽花[002]
「陽介、紫織さんのこと、好きなんだって」と陽介の友人が私に言った。「紫織さんの授業だけは陽介、真面目だし」…驚いた。あの目は、その目だったのだろうか。「違うって。何言ってんだよ。」と陽介が言った。…なんだ、違うのか。…あれ。何?この気持ち。「紫織さんのことかわいいって言ってたじゃん。陽介。」ぱっと陽介を見ると照れているように見えた。…あれ。なんか、キュンと胸が少し苦しい。「ごめんな。紫織さん、迷
紫織 [14,553] -
紫陽花[001]
「紫織は先生っぽくないね」と、陽介には言われていた。本当は別に先生になんてなりたくなかった。ただなんとなく…就職先が専門学校だったと言うだけ。出会った時は、私が23歳の時、陽介はまだ19歳だった。もちろん今も、私にも陽介にも恋人が居る。罪悪感が無いわけではない。でも、目や声、手や体で私を呼ぶ陽介を振り払えない。一番最初の授業から視線を感じていた。本当にじっと私を見ている男性が居たのだ。…村上陽介
紫織 [20,085]
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