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うなぎの投稿された作品が49件見つかりました。
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夜鷹の床(29)
固まる与兵衛。その唇が強引に塞がれた。自然、彼の腕がお理津の背中へ。然れどその動きは無骨で、且つ不自然。「杯はもう置いて、こっち来て……」 お理津は手を取り、先ほどまで紫乃と抱き合っていた床へと誘う。「一緒に、寝ようよ」 やがて与兵衛は生暖かい布団を足の裏に感じた。横たわれば紫乃とお理津に挟まれる形。なにぶん二人ともに何も着ておらず、故により一層目が冴えてしまう始末。下半身は不覚にも困った事にな
うなぎ [619] -
夜鷹の床(28)
「私なんかじゃなくって、本当は与兵衛さんにこう言うこと、して貰いたいんだよね……」「や、やめなって……」 顔を紅潮させ、ちらりと与兵衛を覗き見るお理津。燭台の炎に染められているからか定かではないが、恐らくは伏せる彼の顔もまた、赤い。確かにお理津は彼を誘惑したりもするが、いつも半ば冗談めかしており、彼もまた照れているのか、はぐらかしてばかり。不思議な関係であった。お理津は与兵衛を寄り木としながらも、
うなぎ [602] -
夜鷹の床(27)
「なっ……こ、ここで待ってなって言ったじゃないか」「一人でじっとしてるのが嫌だったから……」 与兵衛は薄暗い畳の上で何も言えず、目のやり場にも窮し、ただ無言の背中を向けているのみ。手元が止まっている所を見るに、聞き耳を立てているようである。「私、怖くって、声も掛けれなくって……。でも、もう子供じゃなくなったから、だから、もう誰にも苦労かけないように……」「まさかあんた自分から」「うん。優しいお爺ち
うなぎ [642] -
夜鷹の床(26)
河原の道をさ迷う紫乃の姿はまるで幽鬼のようであった。幸いだったのは彼女を最初に見つけたのが、お理津だったという事。「紫乃!……紫乃ちゃん、だよね?」 茫然自失とはこの事だろうか。目の焦点は合っておらず、お理津は一瞬言葉を失った。「さ……探したんだよ! 部屋に行ったら、あんた居なくって。一体どこほっつき歩いてたんだよ!」 肩を揺さぶると、紫乃はやっとお理津の目を見た。「おじいちゃんが、死んじゃった
うなぎ [563] -
夜鷹の床(25)
老僧自身もが信じられないほどの激しい動きであった。ともすれば、この娘から若さや力を注ぎ込まられているのでは無いかと思えるほど。しかし、それは紫乃も同時に感じていた。子宮から流れ込んで来る気のようなものが全身に行き渡り、信じられないほど体が熱くなる。全ての神経が研ぎ澄まされ、今なら頭を撫でられただけで気をやってしまいそうである。「あっ、んっ、逝っ……ちゃう」「かぁっ!……ふっ!」 熱い精汁が放たれ
うなぎ [819] -
夜鷹の床(24)
「案ずるな。生娘の小水は甘露水と言うてな、清らかなる物なのじゃよ」「はぁ、はぁ、はぁ……」 ぐったりとする紫乃。しかし彼女の心は浮遊し、視界の先の極楽図にあった。ぬるりと印金が尻から抜かれた時、開花した菊より恥ずかしげに空気が洩れた。「屁も良い」 紫乃にとって絶えず笑顔を見せてくれる老僧は、何もかもを赦してくれそうな、そんな気がした。「どうじゃ。筆下ろしをこの生い先短い老僧にさせてくれぬか。儂にと
うなぎ [816] -
夜鷹の床(23)
本尊である木彫観音像の前で、淫靡な音を立てる。紫乃は仰向けに寝かされ、膝を折り曲げた足を抱えるように持たされていた。大事な所が天井絵の極楽図に向けられている。節くれ立った皺だらけの指が、湿り気を帯び始めた縦の筋をなぞらえ、その度に紫乃は小柄な身を震わせていた。「桜色の割りには、よう濡れるのぉ。煩悩汁にまみれておるわい」 老人相手ゆえの気の弛みかも知れない。いつしか紫乃は脳天を突き抜ける快感に溺れ
うなぎ [872] -
夜鷹の床(22)
紫乃はここに来て後悔した。やはり怖い。棒立ちのままただ俯いていると、見かねた老僧は口を開いた。「何も案ずるでない。儂はもうこの歳じゃから、勃つもんも勃たん。ただ老い先短いよって、若い身体を拝みたいだけじゃ」 そうは言うものの男の前で裸になるのは恥ずかしい事に変わり無く、帯を解く手が震える。やがて蝋燭の灯に細い足が浮かび上がった。目の前で胡座をかく老僧の顔は近い。「ほうほう、肌が絹のようじゃな」
うなぎ [641] -
夜鷹の床(21)
風に吹かれて葦がざわめく。そのざわめきの中に行為の一部始終を覗き見ていた目があった事に、お理津は気付かなかった。後を追って来たにも関わらず、よろよろと河原を後にする彼女を見送るばかりで、最後まで声を掛けられずにいたのは紫乃。与兵衛の部屋で一人じっとしている事が、申し訳なくもあり嫌でもあった。「何してんだろ。私」 まるで強姦のような交わりは紫乃にとっと衝撃だった。そこまでして得る金子は雀の涙で、そ
うなぎ [698] -
夜鷹の床(20)
ずるり、と、果てた肉片を抜かれると同時、開きっぱなしとなった性器より白濁が溢れ出る。上下に波打つお理津の腹に、投げ棄てるように銭。「おめぇ、なかなかの名器じゃねぇか。また見掛けたら頼むぜ」 下帯を締め直し男は去って行った。生い茂る葦の中に残されたお理津は、まるで捨てられたハギレのよう。ぼんやりと仰向けのままにいれば、茜色の天高く青鷺。畜生道に墜ちた身からすれば、なんと空の高きことか。底無しの夕空
うなぎ [788]