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ボーイズラブの官能小説に含まれる記事が1120件見つかりました。
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紺碧の空に星 2
警察も、簡単な調書しかとらなかった。 何しろ春臣は「自供」していて、思ったより軽い傷だった母親も、警察の見解に間違いがないと同意したからだ。 僕は…黙っていた。 春臣との約束だから? 怖かったから? どれもそうかもしれない。殺したいほど憎くて仕方なかった春臣への復讐…? それなら、なんで僕は辛いんだろ? なんで春臣のいない、春臣の部屋に来るんだろ? なんで真実を語らない母親が憎いんだろ…。 何で
にゃんこ [1,408] -
紺碧の空に星 1
春臣に何回も犯されたのに自分自身が穢れたと、感じたことはなかった。 それなのに血液という赤い液体にまみれた両手は熱くて、汚ならしかった。 倒れた母親を見下ろしているのは本当に僕? 春臣が、僕に近づいてきたことにも気づかなかった。両頬に手を添えられるまで気づかなかった。 「理央!」カラン、と包丁が落ちた。春臣が僕を引きずって手を洗わせた。 上着を脱がせて、春臣がそれを着た。 僕はそれをただ見ていた
にゃんこ [1,931] -
妄、想なんです 終
小早川は、僕をまっすぐみた。 僕も、まっすぐ見つめ返した。 「英士がね。俺を見つめていた時から…いつか俺は君に話してしまうだろうって感じてたんだ。誰かに、言ってしまいたいと。俺の…話を」小早川の、今までの捉えどころのない茶化すような声音が消えた。 凛とした声。 僕は小早川の向かいに座り込んだ。 「春臣は…血は繋がらない兄で…」理央の目から、予告なく涙が落ちた。 「父さんの連れ子で…僕とは五つ離れ
にゃんこ 〜妄、想なんです、から紺碧の空に星、に変わります。 [1,235] -
妄、想なんです 22
真っ黒な少年が入り口に立っている。 白い肌が、一際目立ち儚いくらい華奢だ。 僕は静かに彼を眺めていた 彼は僕に気づいて、笑みのない目を瞬かせた。 しん、とした朝に見つめあう僕らはそこに緊張の糸が張られていくのが見えるよう。 理央は直感で、いつもの逢瀬…情欲だけの逢い引きとは違うと理解した様子。 僕は黙って鍵穴に差し込み滑りこんだ。 理央も続く…。 薄暗い部屋に僕らは佇んでいた。小さな微笑をみせ、
にゃんこ [1,513] -
妄、想なんです 21
わかった。 肌寒い日曜の朝。 頼れる情報網から導けた結論。 小早川理央の兄が、犯罪者らしいこと。 その事件のせいで引っ越してきたこと。 小早川の秘密。 そこに根深い何かがある。 寝転がり、天井をみあげていると携帯が震えた。 暇なら きて 僕はゆっくり起き上がり、ポケットに携帯をしまう。 行くよ。 どこへでも。 爽やかな朝の匂いも、澄んだ青空も、鳥の囀ずりもいらない。 僕にとって世界は理央によって
にゃんこ [1,193] -
妄、想なんです 20
私、実は片思いしているんです…。 小早川理央君が、大好きで…だけど彼のことを何にも知らなくて。 何でもいいから知りたいんです。 誰か教えてください。 そんなメッセージを送ってからさらに待ち…。 ようやく、巣に飛びきりの餌がかかった。 同じく小早川が好きな、というより憧れている女子だ 私もですぅ〜(≧▽≦) という返信に続くかったるいやり取りのあと 理央たんは、確か三年くらいまえに引っ越してきた
にゃんこ [1,158] -
妄、想なんです 19
網を張ってから三週間が過ぎた。 毎日、僕は学校に行き、小早川も毎日変わらず登校している。 なんて眩しいんだろう? あどけない少年そのまま、笑ったり駆けたり。 仲のいい友達の肩を叩き、相手も笑顔を返す…。 こっちこそが幻なんじゃないか? 僕は何回、小早川を抱いただろう。 初めてのあの日から、僕らは何回も身体を重ねてる。 あの同じ場所で。 いつも一方的なメールで呼び出されて。 理央は必ず「壊して」と
にゃんこ [1,225] -
妄、想なんです 18
小早川を調べる。 それは僕みたいな高校生が簡単にできることじゃない…。 ある程度はできるだろうけど、元々友達という情報網が欠落しているんだから。 でも僕は大胆になっていたとり憑かれるとはこのことだろう。 まず、アメブロ、mixi、グリー、モバゲー、片っ端から登録する。 キャラを作り込む…女の子として。 キーワード検索で、「桜花高校」…。 年齢は17〜19。余りに上の卒業生はキープしておくのみ。ヒ
にゃんこ [1,413] -
妄、想なんです 17
夜道を歩きながら、身体から欲望が抜けていくのを感じていた。 理央はしばらく体を僕に押し付け、目をつむり…ふいに離れて笑った。 「英士、これは「夢」だよ…いや君の勝手な「妄想」だからね?…じゃあ、俺いくよ」あっという間に彼は闇に消えて、遠くで扉の閉まる音が聞こえた。 そして僕の上着のポケットには、この館の鍵が忍び込んでいた。 その鍵をポケットのなかで弄びながら、帰路を進む。 僕は抑えがたい好奇心を
にゃんこ [1,632] -
妄、想なんです 16
しんとした室内の熱が退いていく…僕らは乱れた服のまま。理央は「背中拭いて」と言った以外、無言。 僕はその通り機械的に拭いてやった。 自身の服装を整えながら、本当に「妄想」だったんじゃないかとさえ思える。 理央は今や暗闇に慣れた目でしか見えない部屋で驚くほど寛いでいる。 心底、猫みたいだ。 夜でさえ白しらと見渡せる金の目を持っているのだろう。 「ねえ」しばらくして、理央は囁いた。 「英士、聞かない
にゃんこ [1,662]