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ボーイズラブの官能小説に含まれる記事が1120件見つかりました。
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歩く、歩く 11
どうやらふて腐れてしまったらしい…。 …可愛いなあ。 「先輩?」布団からちょっとだけ顔を出して 「今日はありがとう。でも言っとくけど、僕はそういう意味で君を好きには絶対に絶対に絶対にならないからね」うわ。 激しく振られた。 …痛い。 「…でも友達ならいい。嬉しかったよ、助けてくれて」… 嬉しいww 「やっぱり嘉納先輩が好きなんですか?」と、今度は怒ったように唸って飛び起きた。 「あのねえ!…だか
にゃんこ [1,271] -
歩く、歩く 10
抱き締めていた俺自身の腕が指が震えている。 ベッドの上で抱きすくめられた先輩は微動だにしない ゆっくり息を吐き出した。 「どうしたの?」…え。 ど、どうしたのって聞かれても…。 このシチュエーション、わかってくださいよ! ぱっと体を離して見つめたら、本気で驚いているみたいだったから笑ってしまった。 「いや…あの、好きなんですよ、先輩のこと」…あら。 言うつもりもなかったのに言ってしまった。 …ど
にゃんこ [1,345] -
歩く、歩く 9
「…誠司君、起きて」夕方の六時を指す時計の針俺は起こされてギョッとした。 いつの間に寝ていたんだか先輩の寝ているベッドに図々しくも突っぷしていた。 うわっとか変な奇声あげて謝る俺を、先輩はキョトンとした顔で見ていた。 「謝るのはこっちだよ。ごめんね、心配かけて…大丈夫、単なる寝不足なんだ」僅かにはにかんで頭をかく先輩が堪らなく愛しくて目を逸らす。 どうしよ…まともに顔も見れやしない。 「最近寝れ
にゃんこ [1,042] -
歩く、歩く 8
先輩の部屋らしいとこに寝かせて、ようやく一安心した俺は青ざめた顔を見下ろした。 さっきのキュンときた感情がまだあるかどうか確かめて、健在であることに苛立ちを感じる。 相手はよりによって今一番の嫌われものだし、どうみたって男だし。 対して話してないし、どんな人かも知らないし。 あー!!イラつく!!! 静かに寝息を立ててる先輩の顔がいたいけで、幼くみえて。 胸が痛くなる。 タンポポを見ていたあの目…
にゃんこ [1,195] -
歩く、歩く 7
胸がそわそわして、異様に腹に置かれた感触が気にかかる俺はおかしいんだろうか…。 ネットばっかしていてエロサイトなんかも飽きるくらい見て、知らん女と際どいチャットもしてきたのに一度もこんな風に息がつまるような想いをしたことがない。 それも年上の男相手に。 先輩には申し訳ないけど、この時間が続けばいいと思ってしまう自分がいる。 なんなんだ。 俺は一体なんなんだよ! 漕ぎながら、添えられた手に手を重ね
にゃんこ [1,241] -
歩く、歩く 6
「うわっ…これ、酷いですよ!大丈夫なわけないじゃないですか」先輩は木にもたれたまま、大丈夫、と繰り返す。 大丈夫なもんか!! 沸き上がった怒りをぶつけるとこがなくて側にある木を蹴っ飛ばす。 「誰がやったんですか?これまでもあったんですか…?先輩!先生に言わないと…」黙ったまま、力なく微笑み首をふる。 俺が引き上げた乱れたシャツ…頼りなげな瞳。 俺は慌てて目を逸らした。何を考えてんだ、こんな状況で
にゃんこ [1,554] -
歩く、歩く 5
それから、呆れるくらい俺の目は先輩を捜していた。 本当に不思議な人だ。 淡々と毎日を送っている。徐々に落ち着きを取り戻しつつある校内を、同じように過ごしていた。 センセーショナルな事件が新鮮な輝きを失い始めているのにつれて、逆に先輩に対しての風当たりは強まっていた。 先輩が通ると、下級生、同級生問わずヒソヒソと話す連中。 通りすぎる瞬間、聞こえるように「冷血漢」と呟く生徒。 プリンスを失った捌け
にゃんこ [1,293] -
歩く、歩く 4
「俺、嘉納先輩に憧れてて…それで平気な顔してる先輩が許せなくて。失礼なこと言って本当にすみませんでした」 言い訳としては上出来だろう。けれど先輩はまじまじと僕の顔をみて笑いだした。 「違うね。君はアキヒトのことどうでもいいんだ。…全く、そっくりだよ。嘘つきは皆同じ顔をするんだなあ」血流が勢いよく駆け巡って顔に集結している。 恥ずかしさに火を吹くとはこのことか。 恥の上塗り。 救い様のない馬鹿
にゃんこ [1,324] -
歩く、歩く 3
「何してるんですか」藤田先輩は道端にしゃがみこんで何かを見ていた。 覗きこむとそれはタンポポの綿毛だ。声をかけられ、先輩はゆっくり立ち上がる。「綿毛になっちゃった…」…だからなんだよ。 俺は曖昧に頷いた。 それから自分でもギョッとするような言葉が口をついて出た。 「先輩は全然平気なんですね、嘉納先輩があんなことになっても」喧嘩を売ってんのか、俺は…。 いま初めて口を聞く相手にあまりにも無礼だとわ
にゃんこ [1,209] -
歩く、歩く 3
まだまだ暑い日が続いているけど、時折かすかな涼風が耳元を通りすぎる9月なかば。 俺が対して面白くもない部活を終えて自転車を漕いでると、うちの制服着た奴が道端にしゃがみこんでいた なんの気なしに通り過ぎようとした時、それが藤田悠先輩だと気づいた。 あの嘉納アキヒト先輩の幼なじみ。押し掛けるリポーターに一言も口を聞かなかった人。全校集会でこれみよがしに泣いて見せる奴等に混じって顔をあげて前を見据えて
にゃんこ [1,403]