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ボーイズラブの官能小説に含まれる記事が1120件見つかりました。
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僕の居場所?
「ヒロくーん!!」 そう叫びながら一人の女の子が近いてきた。 「やっぱりここにいた!園長が呼んでるよ。」 僕の視界に広がる青空を彼女の顔が遮った。 『ゆきか……なら学園に戻るかな…』 僕は思い体を起こした。 公園から20分のところに白い大きな建物がある。 入口には【塩月学園】と書いてある。 僕が他の人と違うのは、 そう… 親がいなく、施設が家だってこと。
龍 [1,704] -
僕の居場所?
ミーン ミンミン ミーン 蝉の鳴き声しか聞こえない真夏の公園に僕はいた。 滑り台に寝転び、青くどこまでも広がる空を眺めていた。 僕は宇佐見 広俊(ウサミ・ヒロト)。 ただの高校生。 見た目だけは…。 僕が唯一他の人と違うこと。 それは…
龍 [1,919] -
ライアー 9
「…おい、てめえ、名前を言え」張り付きそうな喉から無理やり声が出た。 「ふ、藤田悠です」男は途端に笑い始めた。 「そうか!てめえがか!おい、てめえのふざけた母ちゃんに言っておけ!俺んちに今度いちゃもんつけやがったら、あいつの腕を折ってやるってな!いいか?俺はな、れっきとしたあいつの親父なんだよ、てめえの母ちゃんに口出しされるこっちゃねえんだ。あいつは犬よりタチがわりぃから躾てやってんだ。今度うち
にゃんこ [1,292] -
ライアー 8
夏休みもあと残り僅か。 この日は雨だった。 こんな日に限って誰も遊びに来ないから、僕は噂でしか聞いたことのないアキヒトのアパートへ行ってみようと思った。 どしゃ降りのなか、そのアパートは一際侘しげに佇んでいた。 薄汚れた壁には落書き。 壊れて使い物にならないような備え付けのポスト。三階だてのアパートは死んでるみたいに無音で僕の足はすくんだ。 帰ろうか、と見上げたときアキヒトの汚れた水色のTシャツ
にゃんこ [1,092] -
ライアー 8
伏線は張られていた。 アキヒトが史上最悪な嘘つきになる為の素地は、このころから見えていた。 素晴らしい演技力は、イコール素晴らしい嘘つきになれる才能なんだから。 「俺さあ、美恵子と結婚したいなあ」夏休み後半、アキヒトは僕の部屋でごろ寝しながら呟いた。 美恵子とは僕の母親だ。 「何いってんの?」僕が笑うと、アキヒトは転がったまま目を閉じた。 僕の母さんは、確かに変わっているんだろう。 この年で髪を
にゃんこ [1,048] -
ライアー 7
あの夏のことをいまアキヒトに話すと、素っ気なく忘れた、と言われるだけなんだけどそれは絶対に嘘だ。 空き地を不法占拠して、ある時は二人で、またある時は数人で遊びまくった。 始めはぎこちなかったアキヒトの人への接し方も数日するくらいには普通、とどうにか呼べるくらいにはなっていった。さすがにタンポポを他の奴に薦めるのはやめさせたんだけど。 「ここは戦場だ!俺たちはゲリラで軍と戦うんだ!全員武器を持て!
にゃんこ [1,167] -
ライアー 6
「これ食えるんだぜ」アキヒトは笑いながらタンポポの葉をかじった。 僕は真似して、吐いた。 瞬間、唐突にアキヒトは笑いだした。笑って笑って、呆れて見てる僕の顔を「間抜けな鳥みたいだ」とまた笑って、クローバーで埋め尽くされた原っぱに倒れ込んでさらに笑っていた。青い青い空。大きな白い雲。照りつける眩しい太陽…こんな絵はがきの世界で響く初めての笑い声。僕も笑った。 タンポポの青臭い汁を吐き出して。 食え
にゃんこ [1,085] -
ライアー 5
夏休み。 僕は家の前に立つ、憮然とした顔のアキヒトを信じられない思いで見ていた。 「あんたの友達が迎えにきたわよ」という母親の言葉から連想した友達のなかにアキヒトはいなかった。 家に何回誘っても来なかったのに。 まるで怒ったみたいな顔して立つ、棒切れみたいな少年と僕を母親は交互に見比べて笑った。 「なにしてんの、入りなさいな」その瞬間、アキヒトの目が丸くなって、風船が耳元で弾けたみたいな顔をした
にゃんこ [1,190] -
ライアー 4
僕らは友達になった。 次の日、周りの連中は僕がアキヒトの席に向かい、話かけるのを唖然として見ていた。 昨日、何を話したわけでもないけど、必死に追い付いて横に並んだ時に僕らは友達になっていたんだ。 僕にとっては、という意味だけれど。結局謝罪の言葉はでなくって、僕はただ横を歩いていた。別れ道、僕が「バイバイ」と後ろ姿に叫んだらアキヒトは振り返らずに右手を高くあげた。それだけだ。それだけでも、友達にな
にゃんこ [938] -
ライアー 3
「なんでそういう流れになんだよ、お前…バカ?」沈黙のあとで、ようやく発された言葉がこれ。相変わらず冷たい目であることに変わりはないけど、声に含まれていた、ゾッとするような毒は消えていた 「遊びたきゃ一人で遊べ」軽い捨て台詞を浴びせて、教室から出ていくアキヒトを、僕は考えもなく追っていた。 謝らなくちゃ、という気持ちに押されていたんだろう…いや、アキヒトという人間に興味があっただけかもしれない。
にゃんこ [880]