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ボーイズラブの官能小説に含まれる記事が1120件見つかりました。
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遠い日の唄 7
題名を噛み締めるように呟き、泣きながら俺を見上げるユウ。 その顔は痛々しいくらい必死だ。 「ねえ、僕…わかんないよ…僕の場所はどこにあるのかなあ?…僕はココがいいよ。この世界がいいよ。帰りたくない!帰りたくない、帰りたくない、鋼さん、僕は…嫌だよ…嫌だ…」すがるように泣いているユウの涙を指でぬぐってやり…強く抱き締めた。 ユウには何かある。 それがなんであっても、俺は…。 守りたい。 さっき会っ
にゃんこ [2,204] -
遠い日の唄 6
声をかけるにかけられなくて、その人形のような繊細な横顔を見つめていた。 突然現れた謎の少年。 これが少女だったら、俺は…うん、恋に堕ちていたに違いない。 その水晶みたいな瞳と、歌声に俺はきっと…。 「鋼さん…」歌い終わったユウの声が震えてる。 思わず抱き締めたくなるくらい儚げに。 「これ…何て唄?誰の…唄なの」びっくりした。 歌えるくせに知らないなんて。 「クレセント・ムーンってバンドの「僕のい
にゃんこ [1,878] -
遠い日の唄 5
薄暗い部屋で、たいして知りもしない二人がまったりしている。 初めこそ緊張していた少年も、いまや犬なみになついている始末…困ったな、警察に引き渡し辛いじゃないか…。 俺の好きな曲を入れながら聞いてるだけの時間なのに妙に楽しい。 ユウは無邪気にリモコンをいじりまくり、変な演歌とか入れて二人で爆笑してしまった。 が、 あるフレーズが画面に浮かんだ瞬間、ユウの目が見開かれて笑顔が消えた。 君といた日々が
にゃんこ [1,858] -
遠い日の唄 4
カラオケボックス天国。 入った瞬間、思ったこと。 暖房の暖かさがブワっと包んできて、ようやく一息ついたかんじだ。 ユウ君とやらも何やらキョロキョロとしながらもホッとしたご様子で何より。 わりと長かった道のりで知り得た事実は名前と彼が自称二十歳(絶対嘘…十代確実) であることと、この近所に住んでないということくらいだ。 もしかしたら…いや、十中八九、家出少年ではなかろーか? 大学生のお兄さん(俺)
にゃんこ [2,012] -
遠い日の唄 3
…。………。なんか、視線を感じる。振り返ると、やたら寂しそうな顔した少年が見つめていた。 まさに捨て猫。ぶかぶかのダッフルコートが妙に侘しさに拍車をかけている。…だあ〜もう!! 俺はツカツカと来た道を戻った。ほんの少し戸惑った少年は、あの、とか呟いている。「行くとこあんの?」だんまり。それが全てを物語る。俯いた目が僅にうるんでいて、微かに胸が痛んだ 「…少し、付き合う?」「えっ」警戒してんかな?
にゃんこ [2,838] -
遠い日の唄 2
その少女だか少年だかは俺が揺するとボンヤリした目で瞬きを繰り返した 「おい、大丈夫か」問いかけに、ハッとして俺を見上げる。「…ここは…貴方は誰ですか?」おいおい(´Д`)大丈夫か、こいつ。「俺は…通りすがりだけどな、こんなとこで寝てたら死ぬぞ」それはシャレじゃない。ふわふわしていた雪は今やかなりの勢いだ。で、声からするとコイツは男の子らしい。…ちっ(笑) 「起こして貰えますか」消えてしまいそうな
にゃんこ [2,636] -
遠い日の唄 1
出逢ったのは雪がふる寒い夕方。俺は正月を控えた自宅の意味不明な慌ただしさが嫌で、ジュースを買う名目でふらふらさ迷っていた。大掃除が嫌で抜け出したからには、しばらく戻れない。 と、鉛色した分厚い雲からチラリチラリと雪が降りてきた。なんてこった。参ったな。 俺は当初の目的である自販機に近づき、ホットコーヒーを買うことにした二百円入れて、釣りを取ろうとかがんだ時、うずくまる影に気づいてギョッと固まる。
にゃんこ [3,227] -
まったくもう 13
『今日のこと、絶対に俺達だけの秘密な』と念を押して、良夜は帰って行った。当たり前だろ、と笑って帰して…この胸の痛みの処理に困る僕。次の日 良夜に会うのが怖かった…避けられたりしたら…だが、良夜は笑って肩を叩いた。「なあ、ミクたんのOVAがさあ…」なんて言ってくる。なかったことになってたその方が辛い、なんて僕は思っていた。良夜の唇や、触れてキスした髪や、首筋を見てしまう僕は…。いや、忘れなきゃ…。
にゃんこ [3,070] -
まったくもう 12
…。冷えていく身体と、テンション。僕はイッたあと、良夜の頭を腕に乗せた状態…つまり腕枕したまま半裸でコタツに入っていた。 横にいる良夜を見ると、長い睫毛を伏せている。寝ているのか、起きているのか…。下がった体温を感じながら、呆然としてしまう。 なんだったんだろう? 本当に僕らは…あ、あんなことしちゃったんだろうかっ? あの時は妙に積極的だったのに今はどうしていいか解らない。どうしよう…。 良夜の
にゃんこ [3,355] -
まったくもう 11
僕は自身にもついているソレに対しての嫌悪感はまったくなく、そっと手を伸ばした。 びしょ濡れのソレを軽く上下に動かすと、良夜の息があがっていく。 ふと意地悪がしてみたくなってきた。 手を止めて、耳元に囁いてみる。 「良夜…なあ、腰振って自分で動かしてみて?」良夜はイヤイヤする子供みたいに首を振る。僕は暫く緩やかにソレを上下させたあと、ピタリと動かすのをやめてみた 良夜は呻いて、身体をくねらせる。
にゃんこ [4,232]