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恋愛の官能小説に含まれる記事が3667件見つかりました。
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恋愛モラトリアム 第一話 1
カレルディウス歴二千五百三十一年六月十日。 この日、東方の大国エクシードの首都アーバインは雨煙に霞んでいた。 世界の東西を結ぶ一大交易路“シルキー・ウェイ”の中央部を抑える形で成立していたこの国はしかし、その大半を荒涼とした大地に覆われていたにも関わらず幾つかの巨大な湖と大河、そしてオアシスのお陰で農業や放牧が盛んであり、また二毛作や農機具等の改良により収穫量が増大していて食糧はそれなりに豊富で
アメージング・ソルジャー [330] -
恋愛モラトリアム プロローグ その8
「いやあああああああーっ!?ソウタッ、ソウタアアアアアアアアアーーーッッッ!!!!!!!!」 メリアリアの絶叫がこだまするがこの時、遅れて来ていた後続が間に合わなかったならばこの美少女の命は間違いなくこの日、この場所で失われていた筈である、何故ならば自身も少年の後を追って飛び込もうとしていたのだから。 時にカレルディウス歴二千五百二十五年、閏月十七日。 メリアリアから、その可愛らしい笑顔が消えた。
アメージング・ソルジャー [425] -
恋愛モラトリアム プロローグ その7
「メリーッ、危ないっ!!」「きゃっ!!?」 そう叫ぶと突如蒼太は彼女を抱き抱え、向かいの通りに9ある建物のビルまで飛ばすがメリアリアの体が彼から離れた瞬間、少年の立っていた建物が、その足場ごと崩れて行くが、何度も激突した二人の攻撃や踏み込みの衝撃に、脆くなった地盤が耐え切れなくなってしまったのだ。「うわああああああーっ!?」「・・・ソウタ?」 投げ飛ばされた彼女がそれでもなんとか体勢を整えて着地し
アメージング・ソルジャー [397] -
恋愛モラトリアム プロローグ その6
透明感のある山吹色の肌と闇夜のような漆黒の眼、そして長く伸びた艶やかな黒髪はそれだけでアジア系の人間だと見て解る。 それを後ろで束ねた彼は年相応の、まだあどけなさの残る顔立ちをしていて、それだけならばどこにでもいる、一般人と大差は無い、・・・その顔に不釣り合いなほど大きな向い傷がある事以外は。 一方でそれを追い掛けて来たメリアリアは見紛う事なき美少女だ、その体は小柄だが身のこなしに隙が無く、元来
アメージング・ソルジャー [389] -
恋愛モラトリアム プロローグ その5
「はあはあはあはあっ!!」「ソウタァッ!!」 戦いが終わって暫く経った頃、少年が屋根の上で座り込み、休んでいると遠くから自分を呼ぶ声がして、見ると一人の少女が跳躍を繰り返しつつ、急いで自身の元へと駆け付けて来る。「ソウタァ、良かった・・・!!」「メリアリア・・・?もう大丈夫だよ・・・」 ソウタ、と呼ばれた少年に駆け寄ると思わず少女は抱き着くが、少年はそれを慌てる事なく受け止めて自身も彼女の体へと腕
アメージング・ソルジャー [400] -
恋愛モラトリアム プロローグ その4
「はあっ、はあっ!!」「はあはあ・・・っ」 互いに血まみれ傷だらけで着ている服も衣服もボロボロであるがしかし、尚も体力を残している少年に対して男はかなり苦しそうだ、それに全身を覆うアザや打撲の跡も彼とは比較にならなかったが、これは全て、目の前にいる小さな戦士によって付けられたものであり、彼の攻撃が如何に凄まじかったのかがよく分かる。 事実、男は押されていた、戦闘開始から僅か五分で早くも勝負は着こう
アメージング・ソルジャー [387] -
恋愛モラトリアム プロローグ その4
「はあっ、はあっ!!」「はあはあ・・・っ」 互いに血まみれ傷だらけで着ている服も衣服もボロボロであるがしかし、尚も体力を残している少年に対して男はかなり苦しそうだ、それに全身を覆うアザや打撲の跡も彼とは比較にならなかったが、これは全て、目の前にいる小さな戦士によって付けられたものであり、彼の攻撃が如何に凄まじかったのかがよく分かる。 事実、男は押されていた、戦闘開始から僅か五分で早くも勝負は着こう
アメージング・ソルジャー [492] -
恋愛モラトリアム プロローグ その3
そこからは常に毎秒一千リットルもの水が流れ込んで激流を形成しており、それ故にまず、落ちれば助かる見込みは無い。「はあはあっ。シュバルツ許さない、絶対にっ。何としてでもお前だけはぁっ!!」「はあっ、はあっ!!い、いい気になるなよ小僧っ。お前ごときが本気でこの俺様に勝てるとでも思っているのか!?」 吐き捨てるようにそう告げる大男、シュバルツは年齢四十歳前後、頭は丸坊主でその顔は猛々しさと禍々しさに溢
アメージング・ソルジャー [387] -
恋愛モラトリアム プロローグ その2
それらの国々はある時は外の異文明と、またる時は同族同士での熾烈な謀略戦繰り広げてその結果、残った幾つかの国々が最終的な連合体を結成して今日へと至っていた。「はあはあっ!!」「はあーっ、はあーっ!!」 その内の一つ、シルフィードと呼ばれる王国の首都ダグラス、その東側出入り口ゲート付近の最外郭地区、旧市街跡地に於いて一人の少年と大男とが互いに相争っていた。 いや、争っていた、と言うのは適切ではない、
アメージング・ソルジャー [334] -
恋愛モラトリアム プロローグ その1
天文大帝カレルディウスがそれまで共和制だった古代ロマーリオを本格的な帝国制へと改めたのが今から凡そ二千五百年前、そしてそれが衰退して滅亡したのが凡そ千八百年前である。 その後、帝国だった地域は幾つかの小国に分裂していったがそれらの内、西側半分を纏めて自らの国”フランキード”としたのが覇王シャルルマーニュであり、予てよりカレルディウスとロマーリオとに強い憧憬を抱いていた彼はだから、まるでその軌跡を
アメージング・ソルジャー [355]