官能小説!(PC版)

トップページ >> 人妻 >> セピア色の予知夢?

セピア色の予知夢?

[3699]  高橋  2010-05-17投稿
【ねえ、これ読んで。出席してもいいかなあ】
往復はがきを夫の隆に渡した。機嫌良さそうに見えたからだ。

テレビの野球中継はタイガースがジャイアンツを大きくリードしていた。
隆はテレビを見ながらゴルフ誌を読んでいた。

【お盆の帰省に合わせて、15周年大会…全員集合だって】
私の高校三年の同窓会の開催通知を見せた。
【ああ、いいよ、いいよ…出席すりゃいいじゃないか、そんなもん】
隆は全部を読みもせず私に突き返しテレビに目を戻した。
【えっ!行ってもいいの?嬉しい!】
まだ三ヶ月以上先のことなのに私は明日に同窓会が思えた。

三年か五年置きに開催される同窓会に私は一度も参加したことはない。
世話人として男子二名女子二名の名前が印刷された往復はがきの出席にマル印をつけた。

…15年か…
ハガキの世話人の名前に村上 聡(サトシ)と印刷されているのを見た時、セピア色に変わっていた思い出が鮮やかに蘇った。…
もう会ってもいいか…

村上聡以外の三人の世話人の顔が記憶の中でぼやけていた。私は卒業アルバムを引っ張り出した。
楕円形の顔写真の他に各イベントのスナップ写真がふんだんに掲載されている。
運動会、遠足、文化祭、部活動、親しい仲間との夏休みキャンプ・・そしてここに載っていないあの時、私は浴衣を着ていた。
柄は向日葵の花…。

私が同窓会にこれまで一度も参加しなかったのは聡と逢いたくなかったからだ…。
嫌いで逢いたくないのではない。
逢えば必ず危険な妖しい奈落みたいなものに堕ちる予感があったからだ。
あれから15年、もう33歳だ。正確に言えば聡は 34歳、私は早生まれだ。…もう大人だ。逢ってもいいか…いや、逢いたい…何があっても逢いたい、男はともかく女としては、ピークを過ぎ、下り道の年齢だ…もう、無い!

ドックン、ドックンと胸の鼓動が高鳴る。
アルバムの栞がわりにハガキを挟んだ。
ふとハガキに目をやると宛名の私の名前の横に桜の花が小さく印刷されていた。?の形で二つ。
いや、印刷ではない。手書きだ!色を塗り込んである!聡だ!聡が書いたんだ!…それにしても、まさか あの場所に…!

大学を卒業して私は大阪の会社に就職して隆と出会い職場結婚をした。
まあそこそこ有名な商事会社だ。
で、二人共タイガースファンだ。【ねえ隆さん、お土産何がいい?】
【何も要らん!】
と隆が画面を見ながら言った。
金本選手が満塁で走者一掃のツーベースヒットを打った。

感想

感想はありません。

「 高橋 」の官能小説

人妻の新着官能小説

新着官能小説作品

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス