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月夜の晩に 14

[1678]  にゃんこ  2010-06-08投稿

朝がきて、夜がくる。

そんな当たり前の1日1日を繰り返すのがこんなに大変だったとは。

長い、長い1日。

俺は普通な顔をして、部活にも顔を出している。
何事もなかったような顔をして。

いや、なかったんだ。
実際、「なんにも」なかったんだ。

でも、なんでかな…。
筆を持つ手に力が入らない…なんにも浮かばない。
外を見ようと目を向けて、失敗した。

窓際にあの人がいる。
名前、考えたくない。
浮かぶけど、押さえつけてしまわないと。

あの人が、女の子に目配せをして、彼女が笑うその声が脳に突き刺さる。

俺が望んだ。

あの人を知る前の自分に戻りたい、と。

いつかは戻れる。
いつかは忘れられる。
いつかは俺は俺に戻れる。
嫌だ。
こんなに辛いのは嫌だ。
早く消えろ…消えろ、消えろ、消えろ!

こんな感情いらない。

「…み、大丈夫か?顔色悪いぞ?」

…え、ああ…。
目の前にクラスメイトの顔
「大丈夫」

我ながら小さな声、情けないな…。

「保健室、行くか?」

たいして話したこともないのに、親切なやつ…。

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