テイクイン1
じめじめじめじめ。
やっとの事で気の病む季節が過ぎ去ったのに
カラカラカラカラ。
初夏のうだる暑さにめまいを起こしそうになる。
「ああつー・・・」
「止めろよそれ…こっちまで気が散る」
「だってヤバくないこの暑さ。俺暑いの苦手すごい嫌い、何もしてないのに汗とかほんとやだ。」
人が我慢してる事を他人にあっさり言われると、不快になるのは俺だけだろうか。
コイツは昔から見事に俺のカンシャクを揺さぶってくる。
カズミは幼稚園の時から気がつけばいつも俺の隣にいた。
何かしら俺の逆鱗に触れては悪気もなくへらへら笑ってる、そんな奴(それで何回か殴り合いにもなった。)
高校こそ離れるだろうと思ってたのに何故かついてきたのだ
『リュージさ〜高校どこ行くの?』
『壱高』
『えぇ〜別のとこにしなよ〜』
最初は俺を馬鹿にしてるのかと思った
でも違ったのだ
『うわ俺超頑張らなきゃいけないじゃん』
と言って。あほのカズミはミラクルを起こして見事入試に合格し、また三年間同じ学園生活を送ることになった。
その1年目、夏の出来事。
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