テイクイン2
「てゆーか暑いなら早く教室行けよ」
真夏に屋上で昼飯食う奴なんてあまりいない。
俺はそれを狙って静かに食事を終わらせにきたハズだった。
暑さにはそんな弱くないし…
…なのに
何でか気付いたらあほ(カズミ)が付いてきてて、さらに暑苦しい言葉のせいでイライラまでも迫ってきていた。
「うわ。リュージの弁当さくらんぼ入ってる!」
「聞けよ」
「ちょーだい!(バク)」
「だから聞けっつってんだろぼけ!食うな!!!」
コンビニ弁当の加工さくらんぼでもコイツに取られると一層イラつくのは何故だろう。
(コイツには通訳が必要だ…)
確かによくイラつかせられる(?)が勿論年がら年中ケンカって訳じゃない
奴に悪気はないし(だから余計イラつくんだけど)
「もうすぐ夏休みだよな〜俺バイト増やそっかなぁ」
「やめとけ。今んとこだってクビ寸前のくせに」
「やっぱり?後1回寝坊したら終わりらしいよ俺」
「ちゃんと行けよ(汗)」
こうやってそれなりに普通の会話もする。
居心地というのもそれ程悪いもんでは(多分)ないわけで
「そーいやリュージさぁ、結構伸びたよね髪。昔はうざいとかゆってすぐバシバシ切ってたのに」
「あん時は部活してたから。お前こそほったらかしじゃん頭。昔はちょっとプリンなるだけで嫌がってたのに」
そういや色も随分落ち着いたなぁ…
「んー。真っ黒にしてやろうと思って」
「?」
「頭の良い学校て校則ゆるいからありがたいけど中学でやってほしかったよなぁソレ」
カズミの思考回路はアレだ。
抑えられると抵抗したくなる、子供の心をまんま持ち続けているらしい。
「ガキ。…てかお前さっきから何してんの?」
もごもごと、俺はさっきからカズミの口に注目していた
「んー?…ン、し…できた!」
自慢気にそう言って舌を出してきた
そこには先程のさくらんぼの枝。
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