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ライアー 完

[1090]  にゃんこ 〜始めから終わりまで読んでくれた人ありがとうございました。ニコマークをつけてくれた人、とても嬉しかったです★  2010-07-23投稿
泣きながら、目を覚ました瞬間僕はアキヒトが死んだことを知っていた。

けれどそれはある意味では間違っていて…アキヒトは目覚めない…そう、植物人間になっていた。

数日後、病室に入るとそこに彼がいた。

安らかに、静かに。

彼の心を置き去りにした脱け殻だ。

僕は座って話しかける。
ねえ、帰っておいでよ


人形みたいに寝かされているその姿は、あの日のボロキレみたいなアキヒトよりも一層生気がなかった。

死にたいのに生きたい。

そう言ったアキヒトの望み…叶ったと言えるの?

あの夏のなかで、彼の時は止まっているんだろうか?


帰り道僕は、タンポポを見つけた。
その葉をむしって僕は呟く
僕はヤギだ!


そうして口に突っ込んだ。
何回も噛みながら、溢れてくる涙を袖で拭った。

飲み込んで、空を見上げた
いつかアキヒトが帰ってきたら教えてあげなきゃ。


僕にだって食べれたよ。

夏の風が吹いて、逃げ水の先の道をみる。



君が右手を振り上げて

振り返って僕をみる。


もうすぐ夏も終わりだ。


きっと君は帰ってくる。
だって君は


史上最悪な嘘つきだから。

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