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歩く、歩く 19

[1514]  にゃんこ  2010-07-26投稿
強引に舌をねじいれて先輩のなかを探る。

抑えが…歯止めが効かない
このままじゃ確実に「友達関係」には戻れない。

でも引き返せない…引き返さない!

嫌がって首をねじってキスを避けようとするから、その首筋に舌を這わせる。
「や…だって!怒るよ、誠司君!」

「先輩…先輩」

悠先輩、大好きだ。
耳元で囁いて、制服のボタンを外していく。
片手で両手を抑えながら。
「だって…僕は…」

戸惑うような、曖昧な目。そんなんじゃやめないよ…
逃げる舌を執拗に追って絡める。
ある一瞬の刻を越えた時、ふっと抵抗がやんだ。

体から力が抜けてパタリと両手がベッドに沈んだ。
「…」

先輩を見つめる。

初めて見る顔だった。
予想していた諦め顔じゃなく、潤んだ目で、赤面している先輩がいた。

「誠司…」

困惑してる声。

不器用で、天然で、冷静で…優しい人。
俺が命懸けで守りたい人。
そうだ、守ってやらなきゃ
甘い、甘いキスをする。
「今だけでいいから…悠、俺のことだけ見て…」

俺たちは初めて、ちゃんと唇を重ね合わせた。

お互いの気持ちが通い合う甘く切ないキスをした…。

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