それぞれの明日 18
「せめて許してくれ」
…?
「朋子がお前にした仕打ちを。考えてみれば生死をさ迷ったんだもんな。
俺も精神的にお前を追い詰めたんだし…」
「バカじゃねえの?」
俺はベッドにバフッと体を預けながら吐き捨てた、
「許すも許さないもねえんだよ、俺らは。
初めからそういうんじゃねえんだ。
俺は早川を信頼なんてしてなかったし、早川だって俺を憎みこそすれ、本当に愛したりはしてなかったんだぜ?
俺を利用しようとして、利用されて、キレて刺した。そんだけ。
許すも許さないもないね」
圭は黙っている。
「お前には…ないの?
大事な何かが。人を信頼したり、愛したりはしないのか?」
するよ。
した結果が今の俺だ。
「…ないね」
圭は静かに近づく。
「お前は俺が復讐するまでもない」
…。
「自分自身に復讐されてんだもんな」
…そうだな。
俺の唇が歪んで、どうやらそれが微笑みだったらしいことに漠然と気づいた。
悠にしか見せたことのない弱みを敵に見せるのか?
鏡がなくて良かった。
今の俺は、きっと弱い。
守られたいときにはいつだって失った後だと気づく、愚かで孤独なガキなんだ。
…?
「朋子がお前にした仕打ちを。考えてみれば生死をさ迷ったんだもんな。
俺も精神的にお前を追い詰めたんだし…」
「バカじゃねえの?」
俺はベッドにバフッと体を預けながら吐き捨てた、
「許すも許さないもねえんだよ、俺らは。
初めからそういうんじゃねえんだ。
俺は早川を信頼なんてしてなかったし、早川だって俺を憎みこそすれ、本当に愛したりはしてなかったんだぜ?
俺を利用しようとして、利用されて、キレて刺した。そんだけ。
許すも許さないもないね」
圭は黙っている。
「お前には…ないの?
大事な何かが。人を信頼したり、愛したりはしないのか?」
するよ。
した結果が今の俺だ。
「…ないね」
圭は静かに近づく。
「お前は俺が復讐するまでもない」
…。
「自分自身に復讐されてんだもんな」
…そうだな。
俺の唇が歪んで、どうやらそれが微笑みだったらしいことに漠然と気づいた。
悠にしか見せたことのない弱みを敵に見せるのか?
鏡がなくて良かった。
今の俺は、きっと弱い。
守られたいときにはいつだって失った後だと気づく、愚かで孤独なガキなんだ。
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