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それぞれの明日 27

[1672]  にゃんこ  2010-08-06投稿
ようやく、お互い唇離していきなり気まずくなった。
誤魔化すように、俺は忘れ置かれた封筒を手にして表に

嘉納先輩へ

と書かれているのに気づいた。
誠司?

なんなんだ、と思いつつ封を開ける…と、紙切れ一枚に

「男同士でも大丈夫です」
とだけ書かれていた。

俺と、覗き込んでいた圭は思わず見合わせて吹いた。
「てゆーか…俺らって、やっぱそーゆーのなわけ?」
俺が止まらない笑いを抑えて聞く。

「…俺は…そーゆーのでもいーよ?
だって俺、お前と一緒にいたら女とかもう面倒でしかないじゃん。
大切な人、を別に抱かなきゃなんない訳じゃねーけど…抱かれたいなら」

「だっ、誰が抱かれたいなんつったよ!調子のんなよ、舌入れたくらいでビビりやがった癖に…」

圭はニヤッと笑った。

「アキヒト〜、お前本当に口悪いねえ」

うるせえ、バカ!

「アキヒト」

「んだよ!」

圭がそっと耳元で囁いた言葉に、俺は、悠の奴!と顔をしかめた。

「俺がお前のタンポポだよ」
しかめた顔も、
緩くなっちゃうだろ。


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