晴れの日の一日,3
「克巳ー!早く支度しなさーい!夏輝くん待ってくれてるわよー!」
「分かってるよ!もう行くってば!」
あれから母さんはめでたく再婚した。
「お待たせしました!」
そして夏輝さんとは1つ屋根の下で暮らしている。
「いいよ、じゃあ行こうか。」
「はい。」
夏輝さんの声は柔らかくて、優しい。
声だけじゃない、
性格もすごく優しくて、
でも時々男らしくて、
自慢の兄さんだ。
「敬語。いいって言ってるのに。」
「あ…ごめん。つい」
「少しずつでいいよ。
急に家族なんて無理だしね。」
「…うん。」
同じ高校に一緒に登校しはじめて一週間。
いろんな話しをして、
少しずつ夏輝さんを知っていった。
隣に並ぶ夏輝さんの肩は、
俺より少しだけ低い。
夏輝さんは170cm、
俺は178cm。
もっともっと、
いろんな事を知りたい。
夏輝さんの事をもっと知りたい。
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