妄、想なんです 12
「どういう意味?」
絡み付かれた腕に力がこもる…小早川自身の何か…柔らかな香りに尋常じゃないくらい高鳴る鼓動。
「ここでのことは全て君の頭のなかで起こった妄想…俺は関与してないし…ってこと。わかるよね?
君が何を言っても、世間は俺を指示するでしょ?」
ああ。
要は「秘密」ってことか。
元々話す相手なんていやしない。
小早川は素早い動作で正面玄関を鍵を使って開けた。
僕が唖然としているうちにさっさと引き入れてしまう
「…驚いた?
まだまだ、こんなもんじゃないよ」
にっこりする笑顔は邪悪なほど無垢。
こっち、と引っ張られてついたのは
多少ホコリを被ったロビーだ。
薄暗い…。豪華なソファなどがそのまま残されている
「廃墟って、魅力的だよね…ねえ」
語尾が掠れた。
小早川が僕をいきなり、目の前のソファに突き倒した
そして倒れた僕の腹にまたがって見下ろした。
「俺が、嫌い?」
とびきり嬉しそうに聞く。
僕は頷いた。
「なら…壊して。英士…して、何回も何回も、壊していいから」
いいながら、小早川はコートを剥ぐように脱いで床に放った。
絡み付かれた腕に力がこもる…小早川自身の何か…柔らかな香りに尋常じゃないくらい高鳴る鼓動。
「ここでのことは全て君の頭のなかで起こった妄想…俺は関与してないし…ってこと。わかるよね?
君が何を言っても、世間は俺を指示するでしょ?」
ああ。
要は「秘密」ってことか。
元々話す相手なんていやしない。
小早川は素早い動作で正面玄関を鍵を使って開けた。
僕が唖然としているうちにさっさと引き入れてしまう
「…驚いた?
まだまだ、こんなもんじゃないよ」
にっこりする笑顔は邪悪なほど無垢。
こっち、と引っ張られてついたのは
多少ホコリを被ったロビーだ。
薄暗い…。豪華なソファなどがそのまま残されている
「廃墟って、魅力的だよね…ねえ」
語尾が掠れた。
小早川が僕をいきなり、目の前のソファに突き倒した
そして倒れた僕の腹にまたがって見下ろした。
「俺が、嫌い?」
とびきり嬉しそうに聞く。
僕は頷いた。
「なら…壊して。英士…して、何回も何回も、壊していいから」
いいながら、小早川はコートを剥ぐように脱いで床に放った。
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