妄、想なんです 21
わかった。
肌寒い日曜の朝。
頼れる情報網から導けた結論。
小早川理央の兄が、犯罪者らしいこと。
その事件のせいで引っ越してきたこと。
小早川の秘密。
そこに根深い何かがある。
寝転がり、天井をみあげていると携帯が震えた。
暇なら
きて
僕はゆっくり起き上がり、ポケットに携帯をしまう。
行くよ。
どこへでも。
爽やかな朝の匂いも、澄んだ青空も、鳥の囀ずりもいらない。
僕にとって世界は理央によって形成されている。
今でも、いや、より一層僕は小早川が憎い。
僕をこんなふうに侵食し、食いつくした魔猫。
こうして彼に近づいていく度に何かを忘れ、失っていく気がする。
僕にもあっただろう、アイデンティティーや思い出が虚ろな空っぽに変わり、そこに小早川が流れ込む。
こんな風にはなりたくなかった。
それでも時々あの夜の
「英士だから」
を思い出す。
何故、僕だったんだ?
何度犯しても答えはでない
白い身体を汚す度、汚れていくのは自分だと解る。
館が近づく。
鍵を握りしめる。
彼のいる場所へ
僕は向かう。
肌寒い日曜の朝。
頼れる情報網から導けた結論。
小早川理央の兄が、犯罪者らしいこと。
その事件のせいで引っ越してきたこと。
小早川の秘密。
そこに根深い何かがある。
寝転がり、天井をみあげていると携帯が震えた。
暇なら
きて
僕はゆっくり起き上がり、ポケットに携帯をしまう。
行くよ。
どこへでも。
爽やかな朝の匂いも、澄んだ青空も、鳥の囀ずりもいらない。
僕にとって世界は理央によって形成されている。
今でも、いや、より一層僕は小早川が憎い。
僕をこんなふうに侵食し、食いつくした魔猫。
こうして彼に近づいていく度に何かを忘れ、失っていく気がする。
僕にもあっただろう、アイデンティティーや思い出が虚ろな空っぽに変わり、そこに小早川が流れ込む。
こんな風にはなりたくなかった。
それでも時々あの夜の
「英士だから」
を思い出す。
何故、僕だったんだ?
何度犯しても答えはでない
白い身体を汚す度、汚れていくのは自分だと解る。
館が近づく。
鍵を握りしめる。
彼のいる場所へ
僕は向かう。
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