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紺碧の空に星 2

[1408]  にゃんこ  2010-10-20投稿

警察も、簡単な調書しかとらなかった。

何しろ春臣は「自供」していて、思ったより軽い傷だった母親も、警察の見解に間違いがないと同意したからだ。

僕は…黙っていた。

春臣との約束だから?

怖かったから?

どれもそうかもしれない。殺したいほど憎くて仕方なかった春臣への復讐…?
それなら、なんで僕は辛いんだろ?

なんで春臣のいない、春臣の部屋に来るんだろ?

なんで真実を語らない母親が憎いんだろ…。

何で僕は…。

春臣が僕が小さかった時に言った…。

「男は僕なんていわないんだ。僕ってのは…シモベって意味なんだぜ」

何で今思い出す?
そんな些細な思い出。

どうして、春臣は僕を庇ったの?
本当に庇ったの?

家族を壊した僕への復讐を果たしたのは春臣じゃないの…?
だって。
だって残された僕はどうすればいい?

いまだって、見下ろせば汚い両手があるのに。

初めて貫かれて、悲鳴あげた部屋。
初めて春臣が僕をどれだけ憎んでいたか知った部屋。何回も抱かれて、そのうち慣れて。

警察が家に踏み込む直前、春臣が僕に口づけした時に…唇だけ動かして、なんて言ったんだろう。

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