紺碧の空に星 4
「引っ越してから僕は春臣を消した。
僕は僕の望む、綺麗な人間になった。
でもさ…でもさ…
いつだって怖かった。
僕の汚さがいつ露呈するんだろうって。
存在自体が汚いと誰かが気づくんじゃないかって。
生まれちゃいけなかったのに。
英士、僕は望んだんだよ。僕という人間に終止符をくれる人を。
僕に流れる悪に気づいたのは君だけだった」
理央は立ち上がり、僕を見下ろした。
「君を利用したんだ」
氷の声。
「抱かれていた時も、君にじゃなかった。
春臣だ。
春臣を見ていた。
君の僕に対する憎しみに、春臣がかつて僕に対してぶつけていた憎しみを重ねたんだよ」
夢見るように、目を閉じ…囁いた。
「俺、ということで春臣を本当には忘れないようにしていた。
僕のなかで春臣を生かしていた。
あ、そうそう…
春臣はね、死んだんだ。
少年院で自殺したんだ。
僕の愛するひとはいないんだ。
もうどこにもいないんだ」
僕はふらつくように立ち上がった。
「英士、僕が憎い?」
ああ。
「なら、殺してよ」
理央は僕の手を、そっと自らの首筋にあてがった。
僕は僕の望む、綺麗な人間になった。
でもさ…でもさ…
いつだって怖かった。
僕の汚さがいつ露呈するんだろうって。
存在自体が汚いと誰かが気づくんじゃないかって。
生まれちゃいけなかったのに。
英士、僕は望んだんだよ。僕という人間に終止符をくれる人を。
僕に流れる悪に気づいたのは君だけだった」
理央は立ち上がり、僕を見下ろした。
「君を利用したんだ」
氷の声。
「抱かれていた時も、君にじゃなかった。
春臣だ。
春臣を見ていた。
君の僕に対する憎しみに、春臣がかつて僕に対してぶつけていた憎しみを重ねたんだよ」
夢見るように、目を閉じ…囁いた。
「俺、ということで春臣を本当には忘れないようにしていた。
僕のなかで春臣を生かしていた。
あ、そうそう…
春臣はね、死んだんだ。
少年院で自殺したんだ。
僕の愛するひとはいないんだ。
もうどこにもいないんだ」
僕はふらつくように立ち上がった。
「英士、僕が憎い?」
ああ。
「なら、殺してよ」
理央は僕の手を、そっと自らの首筋にあてがった。
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