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紺碧の空に星 4

[1538]  にゃんこ  2010-10-20投稿
「引っ越してから僕は春臣を消した。

僕は僕の望む、綺麗な人間になった。
でもさ…でもさ…

いつだって怖かった。
僕の汚さがいつ露呈するんだろうって。
存在自体が汚いと誰かが気づくんじゃないかって。

生まれちゃいけなかったのに。

英士、僕は望んだんだよ。僕という人間に終止符をくれる人を。

僕に流れる悪に気づいたのは君だけだった」


理央は立ち上がり、僕を見下ろした。

「君を利用したんだ」

氷の声。

「抱かれていた時も、君にじゃなかった。
春臣だ。
春臣を見ていた。
君の僕に対する憎しみに、春臣がかつて僕に対してぶつけていた憎しみを重ねたんだよ」

夢見るように、目を閉じ…囁いた。

「俺、ということで春臣を本当には忘れないようにしていた。
僕のなかで春臣を生かしていた。

あ、そうそう…

春臣はね、死んだんだ。

少年院で自殺したんだ。

僕の愛するひとはいないんだ。
もうどこにもいないんだ」

僕はふらつくように立ち上がった。

「英士、僕が憎い?」



ああ。



「なら、殺してよ」



理央は僕の手を、そっと自らの首筋にあてがった。

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