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紺碧の空に星 8

[1285]  にゃんこ  2010-10-28投稿
なんにもする気が起きなくて、僕は寝ていた。
夢ばかりの浅い眠り。

理央の泣き顔…。

もう、泣くなよ、と手を伸ばして目覚めた。

痛いくらい、理央が好きだとあの日…いや、ずっと知っていた。

それは春臣の形代だったと聞かされ、殺してと哀願されてもなお変わらない。
理央は僕に惹かれていた、と言った。
それはきっと本当だ。

それならあの手を離すべきじゃなかったのか…。


僕はずっと、あの日からお守りのように握っている鍵を目の前にぶら下げた。
クラスでは相変わらず輝く理央。
僕らはお互いの存在を感じながらもすれ違う。

窓際に行き、濃い、藍色の…紺碧ともいえる空に瞬く星を見つめた。

現実に存在するのに触れられない星のように、胸のなかでチカチカと灯る明かり

僕はコートを羽織り、足が向かうに任せた。

行き先は知ってる。



青松館。





レトロなたたずまいのこの館に入り、埃っぽいソファーに腰を下ろした。

何度も身体だけ繋がった場所。
身体だけじゃないと信じたかった。



目を閉じて。



しんとした部屋で1人。


僕はハッと体を起こした。

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