two YOU 23
翌朝は、三人とも寝不足だった。
蓮一は、真希を抱き、
その上、真菜と寝てしまった事を悔いており、
双子は、お互いに気まずいのか口をきかなかった。
登校中も、三人とも無言で、
今日の空のような重たい空気が流れていた。
学校で真菜は、早くもできた友達数人と、昼休みに学生食堂で他愛の無い話をしていた。
「…だよねぇ〜!笑っちゃうよ!そうだ、真菜は!?」
「え??」
「もう、ちゃんと聞いててよ〜。
気になる男子!いないの?」
「!!」
「!あ、赤くなった〜!」
「いるの!?誰?誰?」
「い、いないっ!いないよぉ〜!」
質問を聞いた真菜の心臓は、
苦しいほど早く鼓動していた。
一方、真希はクラスの委員長を任され、
男子生徒の副委員長とともに委員長会議に出席していた。
「………というわけで、以上で今日の会議を終了します。お疲れ様でした」
「…仲埼さん、仲埼さん?」
真希は肩を軽く叩かれ、気を取り戻した。
「!!っ!ごめんなさい…私!
ぼーっとしてたみたいで……」
「だいじょぶ?顔色、好くないみたいだけど…」
真希のクラスの副委員長、瀬下優(セシタ ユウ)だった。
彼は一年生でありながら、その実力を見込まれ、既にサッカー部のレギュラーメンバー入りを果たし、
成績も真希に次いで学年二位の優秀な生徒だった。
顔立ちもよく、女子生徒の間で入学早々、噂になっていた。
「だ、だいじょうぶ…
本当にごめんなさい…」
自分を選んだはずの兄が、
真菜と一緒に寝ていた今朝の光景が、少し夢に出てきたのだった。
真希は喉が熱くなるのを感じた。
(蓮兄ぃ……真菜……っ!!)
「仲埼さん?」
優が真希の顔を覗き込んでいた。
「きゃあ!!あ………」
まだ会議室を出ていなかった生徒の何人かが、一斉に真希に顔を向けた。
戸惑う真希を慌てて、優がフォローした。
「あ、はははっ。なんでもありませんから!」
感想
感想はありません。