two YOU 24
数分後、二人は校内にある自動販売機の前にいた。
真希のおごりで、二人は飲み物を手に立っていた。
「ごめんなさい……。寝不足気味で…」
「そっか…。でも仲埼さんて、意外と親しみやすくて良かった」
「?」
「初めはもっと、取っ付きにくいかと思ってた…。
あっ…
…ごめん…」
真希は微笑んで、首を振った。
「昔から人付き合いは苦手な方だから…
当たってる。
瀬下くんみたいに明るい人って羨ましい」
優も微笑んで、首を振った。
「俺だって人付き合い苦手なんだ。
サッカー通してしか友達作れない…。
笑っちゃうだろ?
基本的に、ボールが友達だよ」
「なにそれ」
優の意外な一面に、
真希も親しみを覚えた。
「そうだ、仲埼さん、
今度、
試合、決まったら見に来てよ」
優は何故か喋り方がぎこちなかった。
真希はこの誘いに少し驚いたが、
快く頷いた。
「うん、楽しみにしてる」
優は満面の笑みを見せた。
そんな二人を、学生食堂から出てきた真菜たちがちょうど目撃した。
「!?ウソ、アレ瀬下くんじゃない!?」
「一緒にいる人って…真菜の双子のお姉さん!?」
「真希………?」
真菜は何故か、二人を見て不安な気持ちになった。
今朝の曇り空からは、
冷たい雨粒が零れ落ち始めていた。
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