two YOU 27
「真希?」
「嘘つき!
瀬下くんと仲良く話してるとこ、
見たもん!」
次の瞬間、真希の目が真菜を捉え、
蓮一がドアを開けたと同時に、
真希の手のひらが真菜の頬を力強く叩いた。
「!!!」
「!!?」
真菜はそのまま膝から崩れ落ちた。
蓮一は真菜の横にしゃがんだ。
「!!…蓮兄…ちがう!違う……違うの!」
「真希、お前の本当の気持ちが……、
分かんねェよ…」
「瀬下くんは……友達だから………仲良くしていたけど……違うの!……違う…」
「なら、なんで真菜を殴る」
真菜は俯いていたが、
明らかに泣いていた。
「違う…違う…!!…蓮兄なら、蓮兄は…信じてくれるよね…!?」
「真菜には信じてもらわなくていいのか?」
真希も涙をこぼし、蓮一に許しを乞った。
――優との関係に嘘はつきたくなかった。
彼の境遇に同情しなかったと言えば嘘になる。
彼が悪い人にはとても見えないし、話していて心地良かった。
今度彼の試合を見に行く約束もした。――
それなのに、恋愛感情は無い、
などとこんな話が通るはずはなかった。
そして何より真希が真菜を殴ったのは、
彼女自身気付いていない¨理由¨からだった。
真菜に『見抜かれていた』からだった。
優への微かな恋愛感情を、
『見透かされていた』からだった。
それを真希自身、
『認めたくなかった』からだった。
蓮一も優も、
真希は独占しようとしていた。
無意識に。
「真希…」
真菜が口を開いた。
「好きなんでしょ。瀬下くんが…」
「っ………!!!ぁ…
あんたっていっつもそう!!
人の事ばっかりちょっかい出して!!
何が楽しいのよ!!そうやっていっつもいっつも!!!いっつも……いっつも…。
私から……
……蓮兄を…」
真希は悔しくて堪らないという表情で、
蓮一と真菜を見た。
その後一呼吸置き、
涙を拭って、
真菜を睨みつけた。
「そうやって……ずっと……
ずっと蓮兄に甘えてなさいよ!!!」
真希は勉強道具の入った鞄と、
財布を持って、家を出て行った。
勢いよく閉まったドアの音が、
静まり返った家にいつまでも反響した。
「嘘つき!
瀬下くんと仲良く話してるとこ、
見たもん!」
次の瞬間、真希の目が真菜を捉え、
蓮一がドアを開けたと同時に、
真希の手のひらが真菜の頬を力強く叩いた。
「!!!」
「!!?」
真菜はそのまま膝から崩れ落ちた。
蓮一は真菜の横にしゃがんだ。
「!!…蓮兄…ちがう!違う……違うの!」
「真希、お前の本当の気持ちが……、
分かんねェよ…」
「瀬下くんは……友達だから………仲良くしていたけど……違うの!……違う…」
「なら、なんで真菜を殴る」
真菜は俯いていたが、
明らかに泣いていた。
「違う…違う…!!…蓮兄なら、蓮兄は…信じてくれるよね…!?」
「真菜には信じてもらわなくていいのか?」
真希も涙をこぼし、蓮一に許しを乞った。
――優との関係に嘘はつきたくなかった。
彼の境遇に同情しなかったと言えば嘘になる。
彼が悪い人にはとても見えないし、話していて心地良かった。
今度彼の試合を見に行く約束もした。――
それなのに、恋愛感情は無い、
などとこんな話が通るはずはなかった。
そして何より真希が真菜を殴ったのは、
彼女自身気付いていない¨理由¨からだった。
真菜に『見抜かれていた』からだった。
優への微かな恋愛感情を、
『見透かされていた』からだった。
それを真希自身、
『認めたくなかった』からだった。
蓮一も優も、
真希は独占しようとしていた。
無意識に。
「真希…」
真菜が口を開いた。
「好きなんでしょ。瀬下くんが…」
「っ………!!!ぁ…
あんたっていっつもそう!!
人の事ばっかりちょっかい出して!!
何が楽しいのよ!!そうやっていっつもいっつも!!!いっつも……いっつも…。
私から……
……蓮兄を…」
真希は悔しくて堪らないという表情で、
蓮一と真菜を見た。
その後一呼吸置き、
涙を拭って、
真菜を睨みつけた。
「そうやって……ずっと……
ずっと蓮兄に甘えてなさいよ!!!」
真希は勉強道具の入った鞄と、
財布を持って、家を出て行った。
勢いよく閉まったドアの音が、
静まり返った家にいつまでも反響した。
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