母・女・メス 79
涼子は従順だった。
誰にも絶対に知られてはいけないこと・・・
この少年はホテルに入る自分たち親子を見ていた。
とても外で聞ける話ではない。
震える手で茶を出した。
「結城・・カイト君だったわね。」
カイトは茶をすすった。
涼子はしきりにモジモジと指先をいじり回した。
「あのホテルには・・事情があって・・・」
「どんな?」
涼子の目が泳ぐ。
「あ、知り合いがやってるホテルで・・・」
カイトは涼子の取り繕いを一蹴する。
「じゃ、アイツにも確かめてみよう。」
涼子の顔色が変わった。
(嘘ついてもすぐにわかるよ。おばさんすごく焦ってるでしょ)
「そんな、焦ってなんか」
勝ち目はなかった。
彼の言う通りだ。嘘などすぐにバレる。
涼子は呼吸が荒くなった。
「家庭を壊したくないんです!お願い。このことは、誰にも知られたくないの!」
「落ち着いてよ。・・誰も言いふらすなんて言ってないし・・・」
カイトは涼子の怯えた顔が痛快でもあった。
優しい笑顔ではない、悲痛な顔・・・
誰にも絶対に知られてはいけないこと・・・
この少年はホテルに入る自分たち親子を見ていた。
とても外で聞ける話ではない。
震える手で茶を出した。
「結城・・カイト君だったわね。」
カイトは茶をすすった。
涼子はしきりにモジモジと指先をいじり回した。
「あのホテルには・・事情があって・・・」
「どんな?」
涼子の目が泳ぐ。
「あ、知り合いがやってるホテルで・・・」
カイトは涼子の取り繕いを一蹴する。
「じゃ、アイツにも確かめてみよう。」
涼子の顔色が変わった。
(嘘ついてもすぐにわかるよ。おばさんすごく焦ってるでしょ)
「そんな、焦ってなんか」
勝ち目はなかった。
彼の言う通りだ。嘘などすぐにバレる。
涼子は呼吸が荒くなった。
「家庭を壊したくないんです!お願い。このことは、誰にも知られたくないの!」
「落ち着いてよ。・・誰も言いふらすなんて言ってないし・・・」
カイトは涼子の怯えた顔が痛快でもあった。
優しい笑顔ではない、悲痛な顔・・・
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