さよならは五分前 20
海斗の荒い動きに、悲鳴もでない。
簓はうつろな頭で否定していた。
この状況の全てを。
こんなの現実なわけ…ないよ…。
でも苦痛の向こうに垣間見える快楽の波が、自意識を飛ばしていく。
嫌だ、こんな…。
「簓…」
掠れた矢倉の声を背中に聞き、憎いと同時に刺すような痛みが襲う。
…それと、快感が。
挿入される度、痺れるような気持ち良さで頭がおかしくなりそう。
女みたいな、情けない声は本当に自分のもの?
俺、おかしい…。
「あ…ぁぅ…」
いいっ、って叫んでしまいたい。
理性が消えていく。
海斗の動きはより激しくなる。簓はもう唇を開いて断続的に喘ぐだけ。
二人はただ、ひたすらその時を待っていた。
白く、真っ白く果てる時を待っていた。
そのあとは知らない。
知りたくはなかった。
簓はうつろな頭で否定していた。
この状況の全てを。
こんなの現実なわけ…ないよ…。
でも苦痛の向こうに垣間見える快楽の波が、自意識を飛ばしていく。
嫌だ、こんな…。
「簓…」
掠れた矢倉の声を背中に聞き、憎いと同時に刺すような痛みが襲う。
…それと、快感が。
挿入される度、痺れるような気持ち良さで頭がおかしくなりそう。
女みたいな、情けない声は本当に自分のもの?
俺、おかしい…。
「あ…ぁぅ…」
いいっ、って叫んでしまいたい。
理性が消えていく。
海斗の動きはより激しくなる。簓はもう唇を開いて断続的に喘ぐだけ。
二人はただ、ひたすらその時を待っていた。
白く、真っ白く果てる時を待っていた。
そのあとは知らない。
知りたくはなかった。
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