セタンスクレ8
簡単な仕事もロクにこなせない
常にヘラヘラやる気もない
チャラチャラした図体デカいだけの冴えないバカ男。
ずっとそう思ってた。
佐木の異常に気付いたのは
アイツに振り分けしたある得意先の社長と会った時。
元々俺が担当だった場所を完璧に佐木に移したので数ヶ月直接話すことはなかった。
確か年内の挨拶回りで久々に顔を合わせた時だったと思う。
『素晴らしい人材が増えたね』
『そんな事ありませんよ』
なんて会話をしながら
俺は耳を疑った。
『いや、佐木君は凄いよ。私の所に引き抜きたい位だ』
佐木が…?
こんな大手に?
一瞬嫌味かと思った。
だが話をする内
"彼の迅速な対応のおかげで"とか"無理な納期も彼に言えば何とかしてくれる"だとかあまりの褒めっぷりに
聞けば聞くほど嘘にしか思えなかった。
驚く事に
それはその1社に限った事ではなかったのだ。
佐木を煙たがる会社も勿論あった
"やる気あるのあの子"
"担当を変えてくれ"
いつもの佐木。
だが同時に佐木を高く評価する会社もある
"あそこまで把握出来る人間はいない"
"彼は秀才だ"
大手企業、子会社
評価はバラバラだった。
調べてみると
佐木の評価が悪い会社は全て俺や他人と共同で出入りしていた所だった。
逆に言えば。
奴は自分が完全に振り当てられた仕事に関しては全て完璧に。たった数ヶ月で迅速に対応していたのだ。
さらに実績表までも佐木が担当してから僅かにだが上がっていた。
(俺は…何てものを見過ごしてたんだ…)
俺への嫌がらせ…にしては他人も含むなんて
おかしい。
…奴は
仕事ができない"フリ"をしているんじゃないか?
…でも何故?
いつもの佐木と知らない佐木。
ただのバカだと思ってたのにこれだけで
全てが謎になった。
常にヘラヘラやる気もない
チャラチャラした図体デカいだけの冴えないバカ男。
ずっとそう思ってた。
佐木の異常に気付いたのは
アイツに振り分けしたある得意先の社長と会った時。
元々俺が担当だった場所を完璧に佐木に移したので数ヶ月直接話すことはなかった。
確か年内の挨拶回りで久々に顔を合わせた時だったと思う。
『素晴らしい人材が増えたね』
『そんな事ありませんよ』
なんて会話をしながら
俺は耳を疑った。
『いや、佐木君は凄いよ。私の所に引き抜きたい位だ』
佐木が…?
こんな大手に?
一瞬嫌味かと思った。
だが話をする内
"彼の迅速な対応のおかげで"とか"無理な納期も彼に言えば何とかしてくれる"だとかあまりの褒めっぷりに
聞けば聞くほど嘘にしか思えなかった。
驚く事に
それはその1社に限った事ではなかったのだ。
佐木を煙たがる会社も勿論あった
"やる気あるのあの子"
"担当を変えてくれ"
いつもの佐木。
だが同時に佐木を高く評価する会社もある
"あそこまで把握出来る人間はいない"
"彼は秀才だ"
大手企業、子会社
評価はバラバラだった。
調べてみると
佐木の評価が悪い会社は全て俺や他人と共同で出入りしていた所だった。
逆に言えば。
奴は自分が完全に振り当てられた仕事に関しては全て完璧に。たった数ヶ月で迅速に対応していたのだ。
さらに実績表までも佐木が担当してから僅かにだが上がっていた。
(俺は…何てものを見過ごしてたんだ…)
俺への嫌がらせ…にしては他人も含むなんて
おかしい。
…奴は
仕事ができない"フリ"をしているんじゃないか?
…でも何故?
いつもの佐木と知らない佐木。
ただのバカだと思ってたのにこれだけで
全てが謎になった。
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