ラック・ガール #03
少女は朝まで、束の間の休息をとった。
シャワーを浴びて、三日前に着ていた学生服に袖を通し、髪型を整えた少女は、
完全に『普段』の女子高生に戻っていた。
「あらリルナちゃん、そうしてるとやっぱり普通の女子高生ネェ〜」
「マ、マスター。いっつもからかわないで下さいっ!現役の高校二年生ですよ!
また来週、頑張りましょう!
お疲れ様でしたっ!」
少女は髪をポニーテールにまとめ、
颯爽と店を出て行った。
「あっリルリルじゃん!」
「リルナお久〜〜」
「アミちゃん、ミナちゃん!」
少女は登校中の友人に出くわした。
少し困惑した表情を浮かべた。
まだ脚が震える。
「あれ?……大丈夫?」
「ん〜〜?リル具合悪い?」
「そんなこと無いよ…!元気元気!」
「んん〜〜。怪しいな〜」
「もしかして…寝不足気味?」
少女の心臓が速くなったが、
「気のせいだよ」
と、笑顔を見せると、友人たちは納得したようだった。
(いつもいつも、あなたのコトばかり考えてるよ。
いつもいつも、あなたのコトばかり見てるよ。
いつもいつも、あなたのコトが…)
「はぁ……疲れちゃった」
少女は独り呟いた。
友人の推察通り寝不足だったし、
朝から何も口にしていなかった。
「なんだ?溜め息か?」
隣りの席の男子生徒が登校してきていた。
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