セタンスクレ18
「黒川所長…アイツに何かしたんですか?」
佐木が営業に出てから
タイミングを見計らって原島が耳打ちしてきた。
いやいやナニされたのは俺だっつの。
「バカ言ってねぇで仕事しろ」
「いや、でもおかしいですよ。大人しく真面目に書類作ったりなんかして…病院行かせます?」
真面目に仕事をしてのこの言われよう。
佐木って奴はやはり、ある意味侮れない
「当たり前の事を普通にやってんだ。別におかしくねぇだろ」
「…何か…所長もおかしい」
……
原島…いらんとこで本当にするどい男だコイツは
「…今忙しいから他のことに構ってられねぇだけだ」
……くそ…っ
やばい。
無駄に意識しすぎてしまう
もうこの時点で無関心なんて無理だろ
ヤメだヤメ。
こんな風に疑われるんじゃ逆効果だし
ビクビク焦るくらいなら
意識したって
無理矢理いつも通りにやってる方がまだマシだ。
明日から普通に戻ろう…
いつも通りだ。
…そう思った。
しかし次の日から
佐木が会社に来ることはなかった。
感想
感想はありません。