セタンスクレ20
「原島くんもう出る?」
喫煙所に行く途中声をかけてきたのはベテラン事務員の森本さんだった。云わば、お局の。
「いえ、何かありました?」
「佐木くんにって電話なんだけどここの得意先って原島くんに移ったよね、私分からないから出てくれない?」
…森本さんの担当事務でもあるでしょ。俺より分かるんじゃない?
って
言えたらいいけどな。
「分かりました」
喫煙所に向かう足を元に戻し
俺は素直に事務所に戻った。
佐木が作成した引き継ぎファイルに目を通し内容を確認する。
その中身は実に丁寧で判りやすかった。
(やればできんじゃねぇか…)
最後に会社に来たとき遅くまで黙々と作成していたのはこれだったんだろう。
その次の日。
『今月いっぱいで佐木の退職が決まった』と
そう、唐突に黒川さんから告げられた。
そこには既に
佐木はいなかった。
喫煙所に行く途中声をかけてきたのはベテラン事務員の森本さんだった。云わば、お局の。
「いえ、何かありました?」
「佐木くんにって電話なんだけどここの得意先って原島くんに移ったよね、私分からないから出てくれない?」
…森本さんの担当事務でもあるでしょ。俺より分かるんじゃない?
って
言えたらいいけどな。
「分かりました」
喫煙所に向かう足を元に戻し
俺は素直に事務所に戻った。
佐木が作成した引き継ぎファイルに目を通し内容を確認する。
その中身は実に丁寧で判りやすかった。
(やればできんじゃねぇか…)
最後に会社に来たとき遅くまで黙々と作成していたのはこれだったんだろう。
その次の日。
『今月いっぱいで佐木の退職が決まった』と
そう、唐突に黒川さんから告げられた。
そこには既に
佐木はいなかった。
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