ラック・ガール #30
リルナは蹴人の横顔をちらっと盗み見ると、
彼は何か真剣な顔をしていた。
(あさっての顔だ………)
「久波くん……。どうしたの?」
「あ、ああ……」
ほとんど言葉もないまま、
二人は街はずれの公園に辿り着いた。
「悪いな、藍原…こんなとこまで…」
「今日は久波くんの方が、らしくないよ…?」
二人はブランコに腰掛けた。
蹴人は真剣な表情を相変わらず崩さなかった。
「藍原、俺、今度の試合また出れることになったんだ…」
「すごい…!今度こそ見に行くからね!」
「ありがとう。お前が来てくれるだけで十分だよ………。…ああ、その、あんまり大勢来られてもな!なんつーか…」
リルナは必死になる蹴人が可笑しくて愛おしかった。
「それで…本題なんだけどさ、
珍しくウチの両親が来ることになったんだ」
「え?」
「俺の名前、分かるか?」
「当たり前だよ!シュウ……ト」
「漢字だと蹴るに人だろ…。
本当は、両親は俺にサッカーやらせるつもりだったんだ」
「う、生まれた時から?」
「ああ……。でも地元のサッカーチームの厳しい練習より、友達とやるバスケの方が何倍も楽しかった…」
蹴人の意外な過去に、リルナは聞き入った。
「気付いたらバスケ部に入って、サッカーチームは辞めてた…。
それ以来一度も、両親は俺のバスケを見た事は無かった」
「じゃ、じゃあなんで今度の試合は…!」
蹴人は突然、リルナに頭を下げた。
「彼女が見に来るってウソついた…!」
「?!?!」
彼は何か真剣な顔をしていた。
(あさっての顔だ………)
「久波くん……。どうしたの?」
「あ、ああ……」
ほとんど言葉もないまま、
二人は街はずれの公園に辿り着いた。
「悪いな、藍原…こんなとこまで…」
「今日は久波くんの方が、らしくないよ…?」
二人はブランコに腰掛けた。
蹴人は真剣な表情を相変わらず崩さなかった。
「藍原、俺、今度の試合また出れることになったんだ…」
「すごい…!今度こそ見に行くからね!」
「ありがとう。お前が来てくれるだけで十分だよ………。…ああ、その、あんまり大勢来られてもな!なんつーか…」
リルナは必死になる蹴人が可笑しくて愛おしかった。
「それで…本題なんだけどさ、
珍しくウチの両親が来ることになったんだ」
「え?」
「俺の名前、分かるか?」
「当たり前だよ!シュウ……ト」
「漢字だと蹴るに人だろ…。
本当は、両親は俺にサッカーやらせるつもりだったんだ」
「う、生まれた時から?」
「ああ……。でも地元のサッカーチームの厳しい練習より、友達とやるバスケの方が何倍も楽しかった…」
蹴人の意外な過去に、リルナは聞き入った。
「気付いたらバスケ部に入って、サッカーチームは辞めてた…。
それ以来一度も、両親は俺のバスケを見た事は無かった」
「じゃ、じゃあなんで今度の試合は…!」
蹴人は突然、リルナに頭を下げた。
「彼女が見に来るってウソついた…!」
「?!?!」
感想
感想はありません。