トライアングル 38
静留は泣いていた。
肩を震わせて、恥ずかしげもなく袖で涙拭いて。
「だから、お願いだから、
琉聖を傷つけないで。
俺が…あの時、教室で琉聖を傷つけた。
どうしていいかわかんなくて、傷つけた。
な…なんでなんだろう…?2人が…してるのみたら、置いてかれる気がした。
俺だけ取り残されて、琉聖はいなくなる気がした。
一番、琉聖が必要とした時に俺はなんも知らなくて
アイツがお前を好きになって苦しい時に…俺は、自分が避けられてるなんて…下らない…悩みを…
謝りたいのに怖くてできない
突っぱねられたらと思って怖くて…
でもこれしか言えないんだ
お願いだから、琉聖を傷つけないで」
俺は
走り出して静留を抱き締められない自分に
動き出せない自分に
静留の心からの思いに
涙が止まらなくて、ただ俯いていた。
連理が動いて、静留がまるで傷ついて飛べない鳥であるかのように
限りなくそっと抱き締めた
「大丈夫、傷つけない」
静留は嗚咽し、何度も約束だよ、と言いながらしがみついていた。
連理は俺のいる方へ顔を向けた。
「大切にするから」
と、ハッキリ、俺に呟いた
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