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ラック・ガール 完

[3484] 輪廻 2011-03-09投稿
(………あなたの事ばっかり、
見ていたよ……。
……私は、あなたに気づかされた…
本当は…私……)

それから一年後の卒業式。


帰り道は、
いつものようにのんびりした空模様だった。
桜が絵に描いたように咲き誇っている。


「私、寂しかっただけなのかな」

「……なんだよ急に」

「マスターに会えたらね、言いたいことがあるの」

「ありがとうは、あの時言ったよな?」

「うん。でも、ただのありがとうじゃないんだ。

私は、誰よりも幸せで、幸運だよって。
お母さんに守られて、
マスターに守られて、
今は…」

蹴人の前に立ち、リルナはお辞儀した。

「…………だから、言いたいことはありがとうだけど…。

私と、出会ってくれて、
本当にありがとう。


…って、

あっ」


蹴人はリルナを抱き締めて、
それからゆっくり彼女の瞳を見て言った。


「俺の方こそ……ありがとう」



「卒業式終了直後にお熱いですな〜!」

「…!!ふ、二人とも…!」

「…いや…リルナの方から…!」

「抱きついたのは…久波じゃなかった〜?」
笑顔で母校を後にし、
リルナは感じていた。


―――私には生きる動力源がある。

それはこの先、
変わることがないものだろう。

私には少なくとも、そう感じられた。


みんな、出会ってくれたみんなが、
私の、宝物だから…――――





ラック・ガール

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