クレイジーキャット 8
べったべたになった手を洗う連理の後ろを何にも言わずに横切った。
鞄、引っ掛けて玄関へ向かう。
後からすぐに連理が追いかけてきたのに気づいても、シカトした。
横に並ばれても、完全にシカトした。
煮えくり返っていた。
「琉聖!」
「…いま、俺に触ったら殴るからな」
「ごめん」
ピタリと足を止めて連理を見返し…驚いた。
「なんでないてんの」
連理が泣いてる。
なんで?
「ごめん、琉聖」
いきなり抱き締められた。誰もいない玄関で。
「…なあ、今日、どうしたんだよ…」
怒りも矛先がこんなだと何だか拍子抜け。
「琉聖、何があっても俺を好き?信じる?」
はああ〜?
もー何よ、こいつは…
「よしよし、わかった、わかった…だからとりま、離せよ、な?」
見られたらどうすんだ。 しかし…なんか…あんなことされといて何だけど
ちょっと可愛いなww
なんだろね、こいつww
「りゅうせい〜」
甘えてんのか?
「泣きたいの俺だけどね、あんなんされて」
「好きだよ〜」
…無理問答だな。
とにかく、コイツはおかしい。
絶対なんかあった。
…はずだ
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