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ラヴァーズ 8

[2696] にゃーす 2011-04-06投稿

「…は…っ…あ…っ」


淫らな音で寝室が満たされている。

こうなるのは彼がありがとう、と答えた時に既に決定していた気がする。

部屋に上がったら、もう必然だ。

〜1時間前〜

泉堂さ…いや、泉堂は部屋に上がりネクタイを緩めた
その動作が計算された色っぽさを生み出し、頑なで清らかなイメージから一変させた。

「何故かなあ…」

俺を振り返り上着を脱いで座椅子に乗せた。

「なにが?」

たぎる情欲に声が低く掠れる。

彼がゆっくりと近づき、俺の唇に指で触れた。

「こんなこともあるんですね、困ったな…」

俺はその華奢な手首を掴み囁いた。

「こっちの台詞です」

ドキドキする。

クラクラする。


出会って一日しか経ってなくても…

こんな綺麗な人が自分の腕の中にいるとは思えなかった。

ああ、もう


どうなってるんだろう

最上級の悪夢みたいだ。
恋に囚われるのはうんざりだった。
裏切られるのも
かりそめの欲情も
そこから派生する諸々の感情に辟易していたのに

キスが全てを覆す。

唇が触れた。

侘しい部屋から始まった。
恋は…始まってしまった。

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