官能小説!(PC版)

必要悪 1

[2378] ポッキー 2011-05-12投稿

「…ははっ、お前…正気なわけ?
僕を好きだって…?」


藤咲燐はにっこり笑った。
長い足を邪魔臭そうに組んで、まっすぐな黒髪に指を通した。

「遠藤…翔真さん、だっけ…?」

俺の名前を味わうようにゆっくり吐き出して、笑顔はなおも張り付いたまま。

「なるほどね、明日で予備校も終わりだからダメ元ってわけ?」

声がでない、俺は…。

彼は面白そうに体を起こして目の前に立った。

そっと顔を近づけてくる。少しだけ爪先をあげて、耳元に唇を寄せる。

「…気持ちわりぃんだよ…糞が」

美しい顔立ちが歪むことのないまま、間近に俺を見つめていた。

真っ黒な、沼のように輝きのない瞳。

まだ少年ぽさの残る華奢な体から発されるオーラ。
それはかつて、感じたままの揺らぎ。

殺人者の、邪悪のオーラ。


俺は蛇に魅せられた蛙のように、その目を見下ろしていた。

ああ、やっとこの時がきた
やっと、「本当の君」を見つけた。

俺は震える指をその白い頬に伸ばした。

「燐」

囁く。

何の感情もない鮫のような瞳がまたたいた。

それから、静かに俺を見つめた。

「…木戸…?」


感想

感想はありません。

「ポッキー」の官能小説

ボーイズラブの新着官能小説

新着官能小説作品

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス