セタンスクレ26
暫く沈黙した後、意を決したかのように原島は深く息を吐いた
「所長、佐木の裸…見たことあります?」
「げは…っ!」
あまりに唐突の質問に
俺は煙草の煙にむせながら首を思い切り横にふった。
「なん…っ」
慌てる俺を余所に原島は至って真面目な顔をしている
「ないですか?…腕とかは?」
腕…?
何だ…?
「…ねぇよ」
第一気にしたことがなかった。
あの時も俺は後ろからがんがん突かれてたし
余裕無かったし
それに…佐木は脱いでなかった、し
「…あいつ
…ガキの頃虐待受けてたっぽいんですよ」
「………え?」
原島は指先から忘れられたように零れる灰を見つめながら言った。
「さっき言ってたでしょ?佐木に呑ませまくった日…
あいつ酔い潰れちゃって自宅まで送ってやったんですよ…そしたら熱いっつって着替えだして…」
「身体中にね、いくつもあったんです」
「何が?」
「傷や痣…根性焼きとかね」
"それ、どした?"
"親がやった"
…
何だ、それ
「…"受けてたっぽい"て何だよ…普通に…虐待じゃ、ねぇか」
あまりの事に、うまく言葉が繋がらなかった。
この歳になっても残るなんて
どれも深い傷だろう
「でも佐木はそう言わなかった。」
「…え?」
「…アイツ…笑ってたんですよ。
まるで楽しい思い出話でもするかのように」
「所長、佐木の裸…見たことあります?」
「げは…っ!」
あまりに唐突の質問に
俺は煙草の煙にむせながら首を思い切り横にふった。
「なん…っ」
慌てる俺を余所に原島は至って真面目な顔をしている
「ないですか?…腕とかは?」
腕…?
何だ…?
「…ねぇよ」
第一気にしたことがなかった。
あの時も俺は後ろからがんがん突かれてたし
余裕無かったし
それに…佐木は脱いでなかった、し
「…あいつ
…ガキの頃虐待受けてたっぽいんですよ」
「………え?」
原島は指先から忘れられたように零れる灰を見つめながら言った。
「さっき言ってたでしょ?佐木に呑ませまくった日…
あいつ酔い潰れちゃって自宅まで送ってやったんですよ…そしたら熱いっつって着替えだして…」
「身体中にね、いくつもあったんです」
「何が?」
「傷や痣…根性焼きとかね」
"それ、どした?"
"親がやった"
…
何だ、それ
「…"受けてたっぽい"て何だよ…普通に…虐待じゃ、ねぇか」
あまりの事に、うまく言葉が繋がらなかった。
この歳になっても残るなんて
どれも深い傷だろう
「でも佐木はそう言わなかった。」
「…え?」
「…アイツ…笑ってたんですよ。
まるで楽しい思い出話でもするかのように」
感想
感想はありません。