セタンスクレ35
「原島に、聞いた…」
そっと腕に手を延ばす
「…っ!」
シャツを捲りあげようとすると
反射的に、佐木がそれを制止した
「何…」
「…その反応じゃ、もうこれが"傷"だって…分かってんだろ…?」
「…っ」
痛みを愛情と思い込むことで救われるんだとしても
それには限界がある。
頭で分かっていても
気付かない"フリ"をしていたんだろ
後遺症として同じ錯覚を起こしても
「…っお願いだから…触らないで…」
「嫌だ」
狂気を愛と思い込んでいた佐木にとって
きっとこれは誤算だった
俺が佐木を好きになってしまった事。
「くろか…っんぅ」
誰かを守ってあげたいとか
支えてやりたいとか
初めて思った。
これ以上なく愛してやりたい。
だから…
「逃げんな、佐木…」
「ん…っヤメ…」
今度は俺が。
そっと腕に手を延ばす
「…っ!」
シャツを捲りあげようとすると
反射的に、佐木がそれを制止した
「何…」
「…その反応じゃ、もうこれが"傷"だって…分かってんだろ…?」
「…っ」
痛みを愛情と思い込むことで救われるんだとしても
それには限界がある。
頭で分かっていても
気付かない"フリ"をしていたんだろ
後遺症として同じ錯覚を起こしても
「…っお願いだから…触らないで…」
「嫌だ」
狂気を愛と思い込んでいた佐木にとって
きっとこれは誤算だった
俺が佐木を好きになってしまった事。
「くろか…っんぅ」
誰かを守ってあげたいとか
支えてやりたいとか
初めて思った。
これ以上なく愛してやりたい。
だから…
「逃げんな、佐木…」
「ん…っヤメ…」
今度は俺が。
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