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メテオリック・ボーイ 完

[2656] 輪廻 2011-06-29投稿


「………だから、この馬鹿げた構想から降りたいんだよ。
サヤはその構想通りになんて動いたりしない。
華宮さんへの罰も取り消して。
あの男子には別の方法を、問題解決策として提案してくれよ」


―怒ってる………?―


「サヤは…サヤとは俺がきちんと決着を着ける。
ここからだって、出ていくさ…。
…ああ…」


「ユウ…イチ」


「サヤ……。キミの問題が解決した」

「え…?」

「俺はキミを連れてこの街から出る。
いや、キミの名前も変える」

「名前を変える…」

「御ノ瀬紗弥になってくれ」

唐突に理解した。

わたしは、私はただ、
誰でもいい、ただ一人に愛されたかっただけなのだ。

御ノ瀬くんの瞳を真っ直ぐ見て、
そっと口付けを交わし、
私達は、もう見ることの無い街の景色を眺めた。

部屋を出る日に御ノ瀬くんは、
受付のおじいさんと、
華宮さんや男子たちのことについて話していた。

あのおじいさんが学園都市構想を考えた張本人だったらしかった。

「行こう」

「あのおじいさん…」

「君たちの言い分は綺麗事だが、それを実行する君たちの姿は、本当に綺麗だ。だって。
意味わかんないな」

「……綺麗事なんかじゃないよ。
どんな街にも、必ず私達と同じ考えの人がいる。
愛する人がいれば良いって人が、必ず」

「さぁ、お義父さんに挨拶に行こうか…」


彼の腕にしがみついて、
私は歩き出した。

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