罠 15
「あらあら、愛する妻をほっといて、他の女性と何かしたんでしょ。
佐々木さんの話が途中だったわ。会ったのはどんな方だったの。白状しなさい」
「綾さんには、かなわないな〜。秘密ですよ、二人だけの。」
「とりあえず、妻には内密にお願いします。」
「秘密ね、わかったわ」
1年前に出会いサイトで知り合ったのは、綾と同年代の主婦だった。
最初は50代の自分に何度となくメールがくるので、冷やかしだと思っていたが、SMに興味があるということでその後もやりとりが続き、会う約束まで進んでいったらしい
「その方、SMが趣味だったの?」
SMという言葉にカラダがゾクゾクと震え、亡くなった主人とのプレイを思い出していた。
「旦那さんとは普通の性生活だったみたいで、日常に刺激が欲しかったんでしょう。
メールということもあって、エッチな内容でした。言葉絡みですよ。」
「言葉絡み?」
「主人が留守で、誰かとエッチしたいの…から、始まっていくんです」
綾もそうだった。未亡人である事を隠し、単なる主婦のアバンチュールを演じていた。
佐々木の言う言葉の絡みで、独り寝の女のカラダは微かな安らぎを感じていた…
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