もうだまされないっ! #7
「夢乃くんに謝って。きちんと下の教室に行って、女子生徒にも謝罪して」
「……しょーがねぇなぁ。望にこんな可愛い彼女がいたとはなぁ」
舐め回すようにサヤは頭の先から爪先までを眺められた。
しかし、サヤは精悍な顔つきのまま、耐え抜いた。
「わかったよ…なぁ、お前ら」
「だな。謝ってやるよ」
「しかしなんで望の代わりなんかしてんだ?彼女の仕事だからか?」
サヤはまだ表情を崩さず、言い放った。
「彼は、あなたたちにくだらない仕返しなんてしないから。だから代わりに、私が言うの」
気味の悪い笑い声をあげ、男子たちは罵った。
「ははは!!要するに、望はあんたより度胸が無いってことか!!」
「彼女に言われてりゃ世話ねぇよ!!」
その次の瞬間、サヤは一番背の高い男子の横っ面を、思い切り平手打ちした。
様子を観ていた教室のギャラリーを含め、
全員が鎮まった。
「……きちんと、夢乃くんに謝って」
言い残して、サヤは教室をあとにした。
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