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夜鷹の床(19)

[776] うなぎ 2012-02-05投稿
「旦那」
 声を掛けたのは釣糸を垂れる一人の侍。ちらりとお理津の方を見るが、すぐに川面へと視線を戻す。
「釣れなさったかい?」
「ふん、からっきしさ」
「だったら帰る前にあたしなんか釣ってみたらどうだい?」
 男は再びお理津を見た。落ち窪んだ目で足元から顔に掛け、値踏みするかのようにゆっくりと視線を動かす。
――釣られるのは、あんたの方だよ――
 お理津は笑みを浮かべながら、餌をちらつかせるように袂を捲って見せた。
「どれ」
 陽も落ちていると言うのに左手で額に日差しを作り、食い入るように眺める男。やがてその左手で裾の中を拝み、次の瞬間にはお理津を葦の林へと押し倒していた。糸が引かれ、河原に棄てられた竿がしなる。
「ちょっ、莚ぐらい敷かせておくれよ! 背中……」
 石がごろごろと転がる河原で無節操にも押し倒す男。帯も解かずに胸を裸けさせる。
「痛っ!」
 力任せに胸を鷲掴みにされ、乱暴に揉みしだかれる。お理津の顔は苦痛に歪んだ。抵抗しようにも思ったより大柄な男で力も強い。
「も、もっと優しくしとくれよぅ」
 頬を襲った衝撃と乾いた音。驚いたか青鷺が薄暮の空に飛び立つ。
「夜鷹ごときが口答えするんじゃねぇ」
 男は笑っていた。いや、笑うと言うよりも興奮している顔だろうか。手早く下帯を解けば、解き放たれた亀頭とお理津の目が合った。愛撫も無しに突き立てられ、濡れる間も無し。
「ま、まって……もっと、ゆっくり」
 足を高く上げ、自らの手で左右に入り口を広げようとするも、問答無用に押し入って来る。年に一度はこういう客がいる。
「くぅっ!」
 滑りが悪いと覚ったか、今度はお理津に馬乗りとなって掴んだ髪を押しやり、顎を上に向かせて開いた口に突っ込む。
「ごっ、ぎゅっ」
 歯を立てぬよう慌てて顎を開くも、咽にまで達する肉塊はすでに容赦無き暴漢。嗚咽を堪えて涙が滲む。ぼんやりと翳った下腹が鼻先に迫る。やがて唾液まみれになった肉塊は引き抜かれ、下の口へ。お理津はこの男に声を掛けた事に後悔した。発情したけだものの如き激しさで、突かれる毎に背中が擦り切れる。ただただ早く終わってくれる事を祈る事しか出来なかった。
「うっっ」
 どくどくと白濁を体内にぶち撒けられ、背中からは血が滲む。力任せに揉まれた乳房は痣になってしまったかも知れない。
「ハァ、ハァ、ハァ」「はぁ、はぁ、はぁ」

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