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[1445] 輪廻 2012-06-21投稿
「ティア…ちゃん…」

カチャリと力の無い音がして、
汚されたままの倫子が入ってきた。

「倫子…!ぅわぁぁぁ…!」

「ティアちゃん…ティアちゃん…!」

二人は抱き合って、見つめ合った。

「こんなに…汚されて…」

「ううん、全然平気…!ティアちゃんのお母さんの事は今日は聞けなかったけど…」

ティアは決心した。
この子には全てを知る権利と度胸がある。
何より、倫子知らなければならない。
彼女がどうするか決めるのだ。

「聞いて…倫子…」


話している間、倫子は涙を流すこともしなかった。
ティアが犯されていたことを聞いた時だけは、悔し涙を流したが、それ以外は平常心だったらしかった。

「ごめん、ごめんなさい…ティアちゃん…私のために…!!」

「倫子…いいから…!!こっから逃げよう?二人で、どこかに行こう…」

倫子は首を横に振った。

「ダメ!ティアちゃんのお母さんのこと、まだ何も聞いてない…!ティアちゃんだけでも家から逃げて…!」

「もうそんなのいいよ!なんでそこまで…!」

「知ってたから…」

「え?」

「私、この家の子じゃないって、知ってた…。だから、本当の親子のティアちゃんたちは、せめて一緒にいて欲しいから…!」

倫子は自らの価値をティアの母親探しに見出だしていたのだった。

「私の、ただの自己満足だから。ね?」

「倫子、やめて…!あんなの…!無いよ…!」

「ううん、私幸せなんだ。親友のお母さんのことも聞けるし、鷹松くんに初めてを捧げられたから…。幸せなの」

倫子は幸せそうに笑い、部屋を出ていった。

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