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the angel make love 7

[1967] 輪廻 2012-08-10投稿


泣き疲れて二時間ほど眠った後、
花子は起きた。

貴斗は虚ろな目で、花子を見ていた。

「貴斗さん…ごめんなさい……。
取り乱しました…」

「…っせぇーなぁ、寝てろよ」

「マウリを淹れますね…」

「花子……」

「なんですか?」

「お前が初めてだわ、
俺の前であんな号泣した女」


「…そ、…そうですか…はい、どうぞ」


「…お前、案外かわいいとこあるんだな」

「…ぁ、ありがとうございます」

貴斗の向かいの席に座り、
花子も外を眺めた。

「天界の案内人は、殺人や生き物を殺した者、自殺者から選ばれます。
だから貴斗さんは、案内人にはなりませんよ。
…良かったですね」


「お前……寂しいのか?」

「べ、別に、さ、寂しくなんか…」

「じゃあ明日の夜は、思い切りヤるか」

「もう……最低です」


「なぁ、天界のヤツと死者の子どもって…できんのか?」

「だ、だから、前代未聞なんですって!
案内人を一日や二日でどうこうしようなんて!…聞いたことありませんから!!」

「…ふぅん……」

じっと見つめられ、花子は目を背けた。
貴斗の冗談半分が、今は本気に感じられるからだ。

「あ、明日が、勝負ですから!
明日一日でこの雨が止めば……
賭けは……終わり…ですから」

二人に長い沈黙が生まれた。

貴斗も花子も、じっと互いの瞳を見つめていた。

睨むわけでも、覗き込むわけでもなく、
しかしじっと、二人は見つめ合っていた。



二人は、同じ事を考えていた。

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