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the angel make love 9

[2264] 輪廻 2012-08-10投稿
儀式は日没までに行わなければならず、
容赦ないタイムリミットが、
二人の時間を終わらせた。

白麗館の外に、儀式用の広場があった。
既に何組もの案内人と死者が儀式を始めていた。

「この首輪を…」

首輪と言っても、たすき掛けできるほど長い装飾品で、花子は貴斗と向かい合って、自分と貴斗の首に引っ掛けた。


「…行きます」

「ああ」

しばらく小さく何かを呟いていた花子は、貴斗の両手をとった。

次の瞬間、貴斗は遊園地のコーヒーカップの様なものに腰掛けていた。

辺りは一面、海のように波打つ青い空間だった。

「?…天国…行き?」

「違うな〜。地獄でもないけどな〜」

貴斗は驚き、目の前を見ると、小さな子どもが座っていた。
ポップなシャツに短パンを穿いていた。

「……なんだ、ガキ?」

「わしは神じゃ」

「あ、そう。
んで、天国行き?地獄行き?」

「………なんで神様が子どもなんだ〜とか、リアクションは無いんかい?」

「っせぇーなぁ…ッ!そうだ!案内人は!?花子は!?」

「アレイア案内人ならホレ、向こうのコーヒーカップにおる。
あ、コーヒーカップって言っちゃった。
向こうの……アレ……あの…。

…向こうにおる」

「……あれか……。分かった。
んで、どうなるんだ、俺は」

「あ〜、それなぁ。あんなぁ、お主を殺したのはわしじゃ。」

「は?」

「本来ならアレイア案内人の言う通り、他人の事故に居合わせただけなんじゃが、お主には、現世で事故に遭う娘よりも、天界の、あの案内人を救うて欲しかったんじゃ」

「なんで…俺が…?」

「お主は確かに粗暴で、武力に訴え、絶えず周りを恫喝しよる。
じゃが…一度もお主は自分から誰かを傷つけたことは無かった」

「ハッ、ただ気分が乗らないだけだ。
やろうと思えばいくらでも…」

「じゃが、やらなかった。
お主には、正しきを曲げぬ信条がある。
やり方は別にしてじゃが…」


つまり花子の、彼女の生き方は、
その真逆だった…。
この子どもからは、痛いほどその気持ちが伝わってきた。


「…………花子は…好きだ。
……だが、俺にどうしろってんだ」

「わしは神じゃ」

「さっき聞いたよ」

「お主、あそこの案内人と一緒に…」

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