妄想カテゴリー 7
小さい子にするみたいに頭をポムポムされて、ちょっと照れた
あんまし人と触れあったりしないしね、僕は
しかし…今から憂鬱でもある…母親は「そういう事情なら別にいいけど
基本的にはアンタが面倒みるんだからね」
とかペットみたいなこと言ってるし
けど…
横目で松前殿を見てると本当に嬉しそうだから
ま、いっか…と自分を納得させるしかないわけだ
で
問題の夏休みはすぐやってきた
「今日からしばらくよろしくな」
教室での放課後、声をかけられると僕の周りの友人らは憐れみの顔で見送ってくれた
「うん、まあ、仕方ないですからね」
「仕方ないとか言うなよ、仲良くしてくれないと寂しいだろ」
うそつけ
僕みたいなヲタクから好かれようが嫌われようが君が気にするわけないだろ
とは、さすがに口にしないけど
二階建てのありふれた僕の家の前までくると
「いや、こんなに近いとはねー俺んちここから歩いて10分だぜ
…あ、荷物たいしてないからこのままでいーや」
「じゃ、どぞ」
玄関に通すと彼はズカズカと踏み込み靴を脱いだ
「おじゃしやーす」
「いま誰もいないよ、うち共働きだし」
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