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モノクロの世界で7

[1352] 翠蓮 2013-02-09投稿
武道場の中では、案の定弓道部員が活動していた。

辺りを見回し、翡翠を探す。



…いた。


翡翠は一番端の方で弓を構えていて。
その姿勢は誰よりも綺麗だった。


…下手すると男でも惚れるなアレは。

それぐらい思わせるような何かが翡翠にはあった。


まぁ、いいや。
いつもみたいにからかってやろ。(面白いから)

そう思って近寄り、大胆に後ろから抱きついてみた。

「ひーすい♪」

「!!?」

翡翠は驚いて持っていた弓矢を落とした。

そしてこちらに振り返る。

「…須、藤…!?何でここに…っ、つーか離れろバカ…!」

相当パニクってんのか、いつもより早口だ。

普段じゃ見られねえよな、この人のこんな姿。

クールな仮面を剥がすのは、やっぱ面白い。


「何でって…遊びにきたのよ?翡翠くんに会いたかったからーん」

女口調で、唇を尖らせ頬にキスした。

「…っ!」

翡翠の顔が真っ青に染まる。

それは周りの注目を浴びたからなのか、男の俺にキスされたからなのか…。はたまた両方か。



「…ば、か…野郎が!!」

翡翠の怒鳴り声が武道場に響く。



……そんな怒んなくてよくね??

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